夕方の淡い光たちを楽しむ2016/07/29

20160729夕日
暑苦しい夕方でしたが、空はすっきりと晴れ渡り清々しいくらい。せっかくなので時間をかけて日没の空を楽しむことにしました。

北西の低空には大きな金床雲とおぼしき広がりが見えました。入道雲本体は見えないし随分低空なのでお隣の栃木県ではないな、と思いながら調べると、はるか新潟県と福島県の県境付近のようです(詳細後述)。そのなかにゆっくり太陽が飲み込まれていきました。

目を左へそらすと、超低空に淡く小さな幻日が見えました(下左画像)。太陽より少し高度が高いので、縦に伸びた幻日の一部が見えていたのだと思われます。太陽がすっかり雲に隠れた後も淡い光の柱が縦に伸びて、短い太陽柱が出来ていることも分かりました。景色がゴチャゴチャしててうまく撮影できませんでしたが、しばし双眼鏡で観察…。周囲が暗くなってくると、反薄明光線が目立ち始めます(下右画像)。下画像はかなりコントラストを上げているため左右(東西)に伸びる筋が分かりますが、実際はもっと淡いものでした。今夕は水蒸気が少ないんですかね?

  • 20160729幻日
  • 20160729反薄明光線

さて、今日一番の収穫は右下画像。今期初の「宵の明星」、金星です。日没後ひょっとしたら見えるかな?と、しつこく探した甲斐がありました。金床雲に飲み込まれる前に、まず双眼鏡で発見。その後5分もすると肉眼でも見え始めました。

20160729金星
画像中央少し上の微かな点が金星です。すぐ近くに水星もいたのですが、こちらは見えませんでした。金星は11月くらいまで低空のままのため見つけ辛いのですが、ゆっくり高度を上げていますから存在感は多少増すことでしょう。約1ヶ月後の8月28日には木星と大接近しますのでお忘れなく。

これらの画像は18時40分ごろから19時ごろにかけての撮影ですが、この30分後には明け方に見送った国際宇宙ステーションの通過も見ることができました。薄暮がたっぷり残っていましたが、頬を撫でる風は少し涼しく、夜の訪れを肌で感じます。

(30日追記)29日日没頃に見えていた金床雲の下では大変な大雨が降っていたことを知りました。新潟県魚沼市あたりでは18:30までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったそうです。いわゆる記録的短時間大雨ですね。左下は気象庁サイトにあった18:00のレーダー画像です。また、気象衛星が積乱雲の発達と上記事にある反薄明光線を作る「積乱雲の影」を捉えていました。

20160729-1800レーダー
下は18:00から19:00の10分おき、本州中部から東北地方にかけて切り出した画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。日没時なので可視画像が非常に暗いため、強い画像処理を加えています。

本州の山沿いに巨大な積乱雲がモコモコして、そこから海側へ長い影が見えます。影の先端は茨城を通り越して、はるか太平洋沖まで届いていますよ。画像下のボタンで手動アニメーションできますので、コマ送りしながらご覧ください。昨年2015年7月21日にも大きな積乱雲による反薄明光線が見られましたが、状況がとても似ています。(今回は雲までが更に遠かった…。)当日記事も併せてどうぞ。




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