熊本地震・震源分布の推移を図化2016/05/04

ブログ内の熊本地震関係記事はインデックスページからたどってください。検索エンジンなどから直接来たページは必ずしも最新とは限りません。

震源分布の推移(緯度)

震源分布の推移(緯度)

震源分布の推移(経度)

震源分布の推移(経度)

震源分布の推移(深さ)

震源分布の推移(深さ)
気象庁から日々発表される震源リストを使って、熊本地震が起きた4月14日から5月14日まで31日間の震源分布の時間推移を図化してみました(データ更新日:2016/05/16)。気象庁Webにある震央の時空間分布図に近いものですが、ここでは緯度、経度、深さの三方向に分けた図にしています。各図横軸は共通の時間軸、緯度図縦軸は北緯32°から34°まで、経度図縦軸は東経130°から132°まで、深さの図縦軸は深さ0kmから20kmまで(上ほど深い)としました。

マグニチュードを三段階に色分けしていますが、それぞれの図の一点一点は他の図のどれかの点に共通した震源です。前震や本震が面的・同時多発的に起こったことや、一見ランダムに見えても実は近傍の影響を受けていることなどが見て取れます。また日を追う毎に分布の集中している位置が少しずつ移動していることも分かるのではないでしょうか。深さの値は1kmごとに離散的ですが、現在はこれが観測&計算分解能の限界と言うことですね。それでも地面の下がこれだけ分かるのですからすごいことです。いつか地球用のCTスキャン装置みたいなものが発明されないでしょうか。

「ひとつの震源に影響を与えるのはすぐ近くの震源」と仮定すれば、全ての震源は時間軸に沿って絡むことなく「原因→結果」のツリー構造を描けるのかも知れません。「風が吹けば…」の諺もバタフライ効果もわらしべ長者もすべて隣近所から及ぼされた結果であって、チートな遠隔操作ではありません。効果が徐々に減衰して、全ての位置でほぼ静止したところで地震は収束するわけです。将来観測精度が上がり即座に地面下の状況が表示できるようになれば素晴らしいですよね。

この震源分布の時間推移を3Dアニメーションで見ることができれば、いっそう理解しやすいと思われます。現時点でWeb上の3D表示環境が万人向けとはいえませんし、元データも量があってPCに負担がかかるでしょう。でも普及してるゲーム機などは大量のパーティクル3D演算が得意なはずですから、緊急時に地震コンテンツ表示機として利用できるような時代が来て欲しいです。こういうのこそ日本のお家芸のはず…!?

参考:
2016年熊本地震に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2016/05/04

20160504太陽
昨夜は雨で、今朝方は風と共にとても強く降りました。9時過ぎから徐々に晴れてきましたが。風は夜まで収まりそうにありません。風速は6m/s以上、瞬間最大で9m/s近くに達しています。

20160504太陽リム
左は9:30過ぎの太陽。低めの雲が上空を猛烈な速さで度々通ります。いくつかの活動領域が確認できますね。左側の12541も活発そうです。今日は左から左上にかけてのプロミネンスが素晴らしい!とても明るいものもあります。

強風の夏日でした2016/05/04

20160504夕空
朝までドバドバ降っていた雨も午前中早い内に上がり、昼前には雲ひとつない青空が広がりました。左は18:20頃の西空のようす。少し雲が出ていましたが、晴れ間は今夜も持ちそうな気配です。気温が高めで、近くのアメダスポイントでは26.2度を記録しましたから、まさに「夏日」でしたね。明日の立夏に間に合いました。(なにが!?)ちなみに関東エリアでは館林市、熊谷市など暑いことでお馴染みの場所が30度を超す「真夏日」だったとのことです。

それよりも今日は一日中強風で難儀しました。少し外出する機会があったのですが、足が悪い私はちょっと歩く度に何度もよろめいたものです。風は全国的にひどかったようで、17時現在、過去の記録を更新したアメダスポイントが36ヶ所もありました。当地・茨城県内でも、下館ポイントが最大風速13.5m/s(暫定値)と、5月記録として過去最高値。
20160504-1500気象衛星画像
我が家近くでも瞬間最大10m/sを越しています。最近晴れるとこういったパターンですねぇ。

右は15:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)です。昨日の画像とも比べてみてください。南北に長々とした寒冷前線が太平洋まで移動しましたね。この前線北にくっついてる低気圧とは別に、日本海側に大きな渦をつくる低気圧が見えます。この移動に伴い、明日はまた風向きと気温が変わることでしょう。

束の間でも、晴れ間が持ちますように。

日の出直前の細い月2016/05/05

20160505_33167月
昨夕まで良く晴れていたものの、夕方以降は時折雲が押し寄せました。夜半過ぎに空を見ると回復しつつあります。時間が中途半端だったため、明け方まで観測機器や手法の見直しに費やすことにしました。

夜が明けて明るくなったころ、東の生け垣のすぐ上に月が見えました。日の出まで残り10分ほどでしたが、一度片付けた機材を再度セットして撮影を試みました。元画像はもう空全体が明るくて月が目立ちませんが、強いコントラストで処理してみました(左画像)。撮影時の太陽黄経差331.67°、高度11.8°、月齢は27.34です。夕方の二日月ほどの幅ですからそれほど細くはないのですが、赤緯が低いために高度が上がる前に日の出が来てしまうのです。明け方の細い月を狙うには、やはり秋ですよね。

いろいろ機材テストをしている間に火星と土星も撮りました(右画像・同倍率)。

20160505土星と火星
気流が悪く、望遠鏡も風で揺れまくっていたため不鮮明です。かろうじて「今の火星は土星本体と同じくらいの視直径になってる」ことが分かりますね。一緒に出ていた彗星たちは時間がなくて撮れませんでした。火星の衝まで二週間あまり。次はコンディション良い空で眺めたいものです。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差324度以上、360度未満)