やっと「ひとみ」に会えました2016/03/15

20160315X線天文衛星ひとみ
「ひとみ」さん、元カノじゃないですよ(笑)。機械です。人工衛星です。日本が2月17日に打ち上げたばかりの「X線天文衛星Astro-H」の愛称なんです。順調に飛行を続け、一週間ほど前から明け方に姿を見せていたのですが、時を同じくして連続悪天に見舞われてしまいました。

今朝は3時過ぎまで完全に曇っていましたが、30分もするとパーッと星空が広がってきました。今朝「ひとみ」が南天のさそり座を通過するのは4:40過ぎ。これはひょっとして間に合うかも…そう思って、近くの見晴らしよい場所まで機材を担いで歩きました。かなり透明度が良い空で、光害のある街中なのに天の川がうっすら見えます。

20160315X線天文衛星ひとみ
「ひとみ」は想像以上に暗くて肉眼でギリギリでしたが、てんびん座からさそり座にかけて東へ飛行する様子を何十秒か目視できました。(※掲載画像ではハッキリしませんが、元画像ではほぼ端から端まで写っています。)

白み始めた空。衝を過ぎた木星は西に低く、夏の大三角はもう東の空高く舞い上がっています。たった10日ぶりなのに、空はかなり模様替えしたかのように感じました。

今日の太陽2016/03/15

160315太陽
明け方から良く晴れています。まともに太陽を望遠鏡で拝むのは7日ぶりになりました。花粉光環が少し見えています。

20160315太陽
左は10:45頃の太陽。風はありませんが大気の揺らぎが強いです。中央近くに見える大きめの黒点は活動領域12519。他にもいくつか活動領域が見えますね。プロミネンスは右上の「クジラの噴水」のようなのが大きいようです。

午後に花粉光環がクッキリ2016/03/15

20160315花粉光環
午後に用事で出かける際に空の様子を確かめたとたん、「うっ!」となりました。青空なのに太陽の周囲にクッキリした光環。そう、紛れもなくスギ花粉による光環です。午前中はあまり見えませんでしたが、このときは太陽を手で隠して裸眼でも見えたので、相当濃くなったようでした。しっかりしたカメラを用意する時間がなかったため、手持ちのコンデジで撮影(左画像)。15時を過ぎており、撮影時の太陽高度は28°00'でした。

用事を終えて、帰りがけにも観察してみました。右下画像は17時過ぎの撮影で、撮影時の太陽高度は7°57'です。夕日なので全体が赤味を帯びていますね。でも違いはそれだけではありません。よーく見比べてください。(知らないで発見できた方は素晴らしい観察眼です。)

20160315花粉光環
答えは、下の比較を見ると分かります。(a)は光環の中心と思われる点から縦に分割して並べたもの、(b)は同じく横分割で並べたもの。もともとスギ花粉光環は楕円に見えることが知られていますが、この楕円の「つぶれ具合」は太陽高度によって変わるというのです。比較画像の縞模様を見ると横方向はほとんど同じに見えますが、縦方向は太陽が低いほうが明らかに伸びていますね。

これはスギ花粉の非対称性によるものです。回転することで姿勢安定を維持するスギ花粉は、ちょうどお饅頭のような輪郭の回転体を作るようです。下から見るほど正円に近く、横から見るほど縦がつぶれて見えますね。微粒子の輪郭に影響される光環は、横長の輪郭ほど縦長の光環になる、すなわち夕方ほど縦に伸びるという理屈と思われます。

ただし必ずそうなるかどうかは分かりません。気象条件によっては安定した姿勢を維持できないようなこともあり得るでしょう。統計的な調査をした例は見たことがないので、興味がある方はぜひやってみてください。今回はコンデジのズームを使った簡便な比較でしたが、できれば像サイズの同一性を保証できる単焦点望遠レンズ+空の色に左右されないバンドパスフィルターを使って特定色のみを撮影すると良いかも知れません。比較のための撮影はカメラの水平垂直にも気を配ってくださいね。

下右(c)画像は日没直前の空。まだ光環が分かりますね。光環のおかげで太陽が数倍大きく感じます。光環は太陽直近の狭い範囲で起こっていますので、観察の際はくれぐれも太陽を直視しないようにしてくださいね。

  • 20160315花粉光環の比較

    (a)
  • 20160315花粉光環の比較

    (b)
  • 20160315花粉光環

    (c)

久しぶりに仰ぐ月2016/03/15

20160315_08691月
本日は久しぶりの晴れ間で、夕方から夜まで晴れが続きました。日食を起こした月はもう月齢が6を越して宵空を飾っていました。

左は20時過ぎの月。太陽黄経差86.91°、撮影高度51°弱、月齢は6.39です。大気が結構乱れていました。上弦はこの月が沈んだ後にすぐやってきます。また月面Xデーは明日16日ですが、残念ながら月の出前からX地形に日が当たり始めますから出現は楽しめません。夕方にはもうすっかり見えているでしょう。

さて、「アポロ宇宙船」着陸地点の撮影を下弦側で2月27日2月28日3月2日と行いました。今度は上限側で挑戦です。昨夕の月は11号と17号の地点を撮影する絶好の月齢でした。シンチレーションは悪かったけれど、練習と調整を兼ねて撮影しました(下画像)。ついでに、とても良く見えていたフンボルト海も撮っておきました。この海がこんなに地球側へ向くのは珍しいかも知れません。それぞれの撮影範囲は下右画像の矩形範囲で、上からフンボルト海、アポロ17号着陸地点、アポロ11号着陸地点です。

  • 20160315アポロ11号着陸地点

    アポロ11号着陸地点
  • 20160315アポロ17号着陸地点

    アポロ17号着陸地点
  • 20160315フンボルト海

    フンボルト海
  • 20160315月

    撮影範囲

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)