超接近を迎えた金星と土星(明け方編)2016/01/09

20160109金星と土星の接近
今日は金星と土星が「超接近」する日。(超接近についての解説はここ。)いちばん近くなるのは13時頃ですが、明け方に昇ってくる金星にはもう土星が寄り添っているはずです。我が家からは隣家が邪魔で朝にならないと見えないため、暗いうちに見晴らしよい場所へ出かけました。

20160109金星と土星の接近
5:20頃の南東の空には既にさそり座が昇っています。一等星アンタレスの左側に金星と土星が仲良く光っていました(左および右画像)。「うわ、めっちゃ近い!」と思わず声が…。両惑星離角は22'あまりで、満月の直径よりも狭いです。

上の画像は2015年12月29日の記事と全く同じ場所、同じ機材の写真なので、十日ほどの間にどれくらい接近したか比べてみてください。もう少し拡大して撮りたかったので、下画像では85mm+APS-Cを使いました。拡大しても充分に近いですね。

20160109金星と土星の接近
新聞で接近を知って見に来たという近所のおばさんが散歩がてらいらっしゃったので、しばしご一緒しました。上空の木星や火星、星座など一通り星巡りを楽しんだあと、とても満足してお帰りになりました。

20160109金星と土星の接近
今朝は少し透明度が悪くて、透き通った空ではありません。撮影画像も地上の光害でかなりカブリが生じていますね。地平をぐるっと見渡すと所々に霧のたまり場が確認できました。霧に阻まれず、兎にも角にも見えて良かったと胸をなで下ろしました。

更に拡大撮影してみました。下左画像は180mm+APS-Cによる撮影。少し明るくなった6時過ぎなので周囲の星は少ないですが、ここまで拡大してもまだ近いですね。また下右画像は望遠鏡+アイピースによる拡大撮影(※この画像のみ上が天の北方向/多段階露光による合成)。両惑星の他に金星の上に6等星の恒星、土星の右やや下に衛星タイタンも写っています。金星と土星の形までいっぺんに見たのは初めてです。うっとり見とれてしまいました。生でご覧になれなかった方は人生かなり損している気がします。昼間にはこの1/3以下まで超接近しますが、観察は困難を極めるでしょう。(→昼間編はここをクリック。

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参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧(惑星ペア・トップ200)

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