台風一過、小惑星フローレンスとASASSN彗星を観察 ― 2017/09/03
9月1日夜に地球へ約700万kmまで接近した小惑星フローレンス(→参考記事)。接近当日に見たかったのですが、当地・茨城は台風15号の影響で雨が降ったり止んだり。星空は少しも見えませんでした。1日経った2日夜は天気が早めに回復、しかも冬のような透明感のある星月夜となりました。さっそく機材を組み立て、フローレンスを撮ってみました。
左画像は6cm屈折で30秒露出+30秒休みで25コマ撮影し、コンポジットした画像。画像上が天の北方向で、北北西に向かうフローレンスが明るい点線状に写っています。上弦過ぎの月が南側約34°のところに輝いていましたが、何の問題もなく写りました。
右画像は、左上画像のコンポジットに使った最初のコマ中央を原寸大トリミングしたもの。フローレンスが移動方向へ楕円に伸びていることが分かるでしょうか。わずか30秒でも移動するのですね。付近の主な恒星に等級を書き込みました。これらと比べればフローレンスは9等星前半であることが分かるでしょう。
小惑星フローレンスは2日21時でもまだ716万km、3日21時でも745万kmの距離で、かなりゆっくり遠ざかります。満月期ですが月から離れてはくちょう座を北上しますので、10等以下になるまで一週間くらいは難なく追いかけられそうです。
良い空ですから明け方に彗星でもと思いましたが、月が沈んで少し時間が空くので、リファレンスとして二重星団を撮影しました(左画像)。フローレンス撮影と同じ機材です。
夜半過ぎまで月明かりがあっても天の川がなんとなくたどれましたので、かなり透明度は高かったのでしょう。光害地から宇宙を観察するのに、こんな夜は貴重です。アンドロメダ銀河が肉眼で見える夜にカシオペア座とペルセウス座の境界を見ると、間違いなく二重星団も肉眼で見えます。
さて、お目当てのASASSN彗星(C/2017 O1)に望遠鏡を向けたのは3時頃でした。右画像は約30分露出、彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。8月25日にも撮影しましたが、雲に阻まれ消化不良気味。今朝は全く雲が湧かなかったので、心置きなく露出できました。
驚いたことに、ものすごく明るくなっています。しかも緑色のコマがかなり大きい!西南西向きに短い尾も確認できました。発見から1ヶ月半も経ってないのにこの成長スピード。3月ごろのジョンソン彗星(C/2015 V2)を彷彿とさせます。もう8等台に入ったかな?
約1ヶ月半後に光度のピークを迎え、上に掲載した二重星団の東側約20°のところを北上、12月にはすっかり暗くなりつつも北極星に2.5°まで接近します。向こう二ヶ月が好期ですから可能な方は観察してくださいね。下にステラナビゲーターによる11月までの星図を掲載しておきます。(※軌道要素は今日時点で最新のMPCデータを使っていますが、まだ発見後の観測期間は長くないので今後若干ずれる可能性があります。)
左画像は6cm屈折で30秒露出+30秒休みで25コマ撮影し、コンポジットした画像。画像上が天の北方向で、北北西に向かうフローレンスが明るい点線状に写っています。上弦過ぎの月が南側約34°のところに輝いていましたが、何の問題もなく写りました。
右画像は、左上画像のコンポジットに使った最初のコマ中央を原寸大トリミングしたもの。フローレンスが移動方向へ楕円に伸びていることが分かるでしょうか。わずか30秒でも移動するのですね。付近の主な恒星に等級を書き込みました。これらと比べればフローレンスは9等星前半であることが分かるでしょう。
小惑星フローレンスは2日21時でもまだ716万km、3日21時でも745万kmの距離で、かなりゆっくり遠ざかります。満月期ですが月から離れてはくちょう座を北上しますので、10等以下になるまで一週間くらいは難なく追いかけられそうです。
良い空ですから明け方に彗星でもと思いましたが、月が沈んで少し時間が空くので、リファレンスとして二重星団を撮影しました(左画像)。フローレンス撮影と同じ機材です。
夜半過ぎまで月明かりがあっても天の川がなんとなくたどれましたので、かなり透明度は高かったのでしょう。光害地から宇宙を観察するのに、こんな夜は貴重です。アンドロメダ銀河が肉眼で見える夜にカシオペア座とペルセウス座の境界を見ると、間違いなく二重星団も肉眼で見えます。
さて、お目当てのASASSN彗星(C/2017 O1)に望遠鏡を向けたのは3時頃でした。右画像は約30分露出、彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。8月25日にも撮影しましたが、雲に阻まれ消化不良気味。今朝は全く雲が湧かなかったので、心置きなく露出できました。
驚いたことに、ものすごく明るくなっています。しかも緑色のコマがかなり大きい!西南西向きに短い尾も確認できました。発見から1ヶ月半も経ってないのにこの成長スピード。3月ごろのジョンソン彗星(C/2015 V2)を彷彿とさせます。もう8等台に入ったかな?
約1ヶ月半後に光度のピークを迎え、上に掲載した二重星団の東側約20°のところを北上、12月にはすっかり暗くなりつつも北極星に2.5°まで接近します。向こう二ヶ月が好期ですから可能な方は観察してくださいね。下にステラナビゲーターによる11月までの星図を掲載しておきます。(※軌道要素は今日時点で最新のMPCデータを使っていますが、まだ発見後の観測期間は長くないので今後若干ずれる可能性があります。)