お天気下り坂の月2024/05/19

20240518虹の入江、雨の海
昨夜から今朝は薄雲が入り込み、すっきりしない空でした。それでも宵側は辛うじて観察可能な状態を保っていたので、月に望遠鏡を向けてみました。シーイングは冬並に悪く、細部が見えません。

ちょうど虹の入江が朝を迎えつつありました(左画像)。もう少し早かったら入り江内の大部分が真っ暗だったかも知れませんが、立地の都合で20時ごろからしか機材を設置できなかったので、半分以上日が差しています。まぁおかげで浅い起伏がよく分かりますね。ラプラス岬の三角の影も良い感じ。甘い像ながら画像処理を加えると、雨の海のリッジや溶岩流が見えてきました。

薄雲越しですが、明暗境界に沿って撮ったなかから二枚掲載。下A画像はコペルニクス周辺。前夜は縁しか光っていませんでしたが、しっかり中まで明るくなりました。月面Nも明る過ぎてもう文字地形らしくありません。T.マイヤー、ランスベルグ、リファエウス山脈にかけて散らばるドーム地形を大量に見つけることができます。ホルテンシウスのドーム群もくっきり。リファエウス山脈西のエウクレイデス(ユークリッド)周囲が欠け際なのにかなり明るく見えます。一見すると分かりづらいけれど、このクレーターは光条付きで、しかも全周囲が暗い海に囲まれているため、コントラストが際立つのだと思われます。広がり過ぎず、程よい大きさの光条付きクレーターとしては、有りそうで無い状況だと思います。他に思い付くのは蒸気の海のマニリウスくらいでしょうか。

下B画像はティコやクラヴィウスがあるエリア。昨夜は月面ス地形の出現日でもあったので、一緒に撮影してみました。ロンゴモンタヌスの西側の「ス」、見えますか?シャイナーはまだ真っ暗、ブランカヌスの南にあるクラプロートはやや幅広のRay現象が見えます。キースやカプアヌスあたりのドーム地形も良く見えますね。写野外ですが、ブリアルドゥスW谷の橋も見ごろでした。

月の上には内接ハロ(内暈ではない)が見えていました。月没ごろは雲が多くなり、明け方はほとんど星が見えなくなりました。耳を澄ますとホトトギスの声やカエルの合唱が空に響いています。過ごしやすい季節になりました。

  • 20240518コペルニクス、エラトステネス、リファエウス山脈

    A.コペルニクス付近
  • 20240518ピタトゥス、ティコ、クラヴィウス

    B.クラヴィウス付近


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