ゲイ・リュサックのQuincunx、ふたたび。 ― 2024/05/18
昨夜から今朝は風も弱く、穏やかな晴れ間でした。残念ながらシーイングは思ったほど良くありません。ときおり薄雲が飛来します。とは言え貴重な晴れ間でしたので、前夜に続いて月面を観察しました。
折り良くコペルニクスが夜明けを迎えるタイミング。左画像は17日20:50ごろの撮影で、コペルニクスからフラマウロにかけてのゴツゴツした地形や、リッジ、谷、チェーンクレーターなど一網打尽です。グルイテュイゼンの月面都市もまだ辿れます。南側のスケアリングが少し狂っていて残念。何か抜本的な対策をしなくては…。
昨夜は2024年3月20日記事で紹介した「ゲイ・リュサックのQuincunx」も見える予報でしたから、望遠鏡を向けました。左画像ではまだ三点しか光っていませんが、下A・B・C画像では五点すべて光っていました。括弧書きの数値はゲイ・リュサックから見た太陽高度です。Aでは西側二点が露出を数倍以上かけないとモニター上に見えない明るさで、ノーマルな状態で何とか見えたのは21:30以降。ですから、見ごろはやはり太陽高度が+0.60°とする計算が良さそうです。
そのほかに撮影した中から二枚掲載。下D画像は欠け際南部の様子。朝を迎えたクラヴィウスの中に極細のRayが見えて驚きました(水色矢印)。クラヴィウスDの西の山から伸びた細長い影も面白いですね。またクラヴィウスの北西、ロンゴモンタヌスのクレーター縁と思われる位置に直線状の“点線”が見えました(これも水色矢印)。このような、か細い光や影の筋を見ると心がキュンキュンします。ヘシオドスRayはちょっと遅かったですね。もうだいぶ太くなってました。
山の多い地域を見ると、時々小さなX型の地形や影が目に留まることがあります(黄色丸のところ)。一度目に付くと気になってしまうのですが、結構あちこちに散在しています。このような見え方を生じさせる地形的な特徴があるんじゃないかと考えているのですが、いまひとつ理由を見いだせません。
下E画像は欠け際北部の様子。雨の海の溶岩流が見えていました。もう少しシーイングが良ければなぁ…。直線山列がまだ山頂しか光っておらず、山列の体を為していませんね。つい三日前にアレキサンダーのビーズを観察したのですが、昨夜のこの画像にも右上あたりにフィロラオス、ムーシェ、ムーシェAのクレーター縁に宿る美しいビーズが写っています。こうした現象は1時間も経つと繋がって見えなくなってしまうし、特に北極や南極に近い地域は秤動で見えないことも多いので、まさに一期一会。(※メモ:今回の撮影時刻をもとに計算すると、次回ムーシェのビーズが条件良く見えるのは今年10月12日19時台。秤動は今回よりずっと有利。)
折り良くコペルニクスが夜明けを迎えるタイミング。左画像は17日20:50ごろの撮影で、コペルニクスからフラマウロにかけてのゴツゴツした地形や、リッジ、谷、チェーンクレーターなど一網打尽です。グルイテュイゼンの月面都市もまだ辿れます。南側のスケアリングが少し狂っていて残念。何か抜本的な対策をしなくては…。
昨夜は2024年3月20日記事で紹介した「ゲイ・リュサックのQuincunx」も見える予報でしたから、望遠鏡を向けました。左画像ではまだ三点しか光っていませんが、下A・B・C画像では五点すべて光っていました。括弧書きの数値はゲイ・リュサックから見た太陽高度です。Aでは西側二点が露出を数倍以上かけないとモニター上に見えない明るさで、ノーマルな状態で何とか見えたのは21:30以降。ですから、見ごろはやはり太陽高度が+0.60°とする計算が良さそうです。
そのほかに撮影した中から二枚掲載。下D画像は欠け際南部の様子。朝を迎えたクラヴィウスの中に極細のRayが見えて驚きました(水色矢印)。クラヴィウスDの西の山から伸びた細長い影も面白いですね。またクラヴィウスの北西、ロンゴモンタヌスのクレーター縁と思われる位置に直線状の“点線”が見えました(これも水色矢印)。このような、か細い光や影の筋を見ると心がキュンキュンします。ヘシオドスRayはちょっと遅かったですね。もうだいぶ太くなってました。
山の多い地域を見ると、時々小さなX型の地形や影が目に留まることがあります(黄色丸のところ)。一度目に付くと気になってしまうのですが、結構あちこちに散在しています。このような見え方を生じさせる地形的な特徴があるんじゃないかと考えているのですが、いまひとつ理由を見いだせません。
下E画像は欠け際北部の様子。雨の海の溶岩流が見えていました。もう少しシーイングが良ければなぁ…。直線山列がまだ山頂しか光っておらず、山列の体を為していませんね。つい三日前にアレキサンダーのビーズを観察したのですが、昨夜のこの画像にも右上あたりにフィロラオス、ムーシェ、ムーシェAのクレーター縁に宿る美しいビーズが写っています。こうした現象は1時間も経つと繋がって見えなくなってしまうし、特に北極や南極に近い地域は秤動で見えないことも多いので、まさに一期一会。(※メモ:今回の撮影時刻をもとに計算すると、次回ムーシェのビーズが条件良く見えるのは今年10月12日19時台。秤動は今回よりずっと有利。)