みちびき3号の検出成功 ― 2017/09/27
昨夜から今朝にかけて、一応雲も少なく晴れてはいたのですが、低空の1等星が3等星に感じるほど透明度が落ちていました。目に見えないような薄雲が出ていたと思われます。こんな夜は淡い天体の撮影などができません。少し悩んだあげく、準天頂衛星システム「みちびき3号」(QZS-3)の検出を試みることにしました。8月に打ち上げが成功したみちびき3号ですが、天候不順が続き、今まで試していなかったのです。今回も撮影中から濃い雲が覆い始めていました。ギリギリセーフ…。
QZS-3は静止衛星となったため、位置さえ特定できれば星の動きをガイドしないで固定撮影ができます。透明度が悪いものの何とか望遠鏡を向けられましたので、左画像のようにうまく検出できました。3:23頃から10分間の露出(30秒×20コマのコンポジット)で、恒星は全て線状に移動しています。気象衛星ひまわりよりも少し西寄りで、CalSkyによる予報と寸分違わぬ位置でした。光度はおよそ12等中盤でしょうか。
秋分に近いこの時期、時間によっては衛星と太陽との間に地球が入り込んで衛星が光らなくなります。それを避けさえすれば、おおよそいつでも小規模機材で撮影可能です。(今回は6cm屈折+APS-C一眼レフを使いました。)移動してしまうQZS-2のように検出が難しいこともありません。ちなみにガイド撮影してしまうと衛星は全く写りませんでした。ぜひお試しください。
間もなく10月10日にはみちびき4号の打ち上げが予定されています。QZS-4はQZS-2と同じく準天頂軌道とのこと。うまく軌道に乗れば4機体制が完成します。
参考:
みちびき3号打ち上げ成功(2017/08/19)
準天頂衛星システムと「みちびき」シリーズの軌道(2017/08/13)
やっと捉えたみちびき2号、明け方には月と金星も(2017/07/21)
QZS-3は静止衛星となったため、位置さえ特定できれば星の動きをガイドしないで固定撮影ができます。透明度が悪いものの何とか望遠鏡を向けられましたので、左画像のようにうまく検出できました。3:23頃から10分間の露出(30秒×20コマのコンポジット)で、恒星は全て線状に移動しています。気象衛星ひまわりよりも少し西寄りで、CalSkyによる予報と寸分違わぬ位置でした。光度はおよそ12等中盤でしょうか。
秋分に近いこの時期、時間によっては衛星と太陽との間に地球が入り込んで衛星が光らなくなります。それを避けさえすれば、おおよそいつでも小規模機材で撮影可能です。(今回は6cm屈折+APS-C一眼レフを使いました。)移動してしまうQZS-2のように検出が難しいこともありません。ちなみにガイド撮影してしまうと衛星は全く写りませんでした。ぜひお試しください。
間もなく10月10日にはみちびき4号の打ち上げが予定されています。QZS-4はQZS-2と同じく準天頂軌道とのこと。うまく軌道に乗れば4機体制が完成します。
参考:
みちびき3号打ち上げ成功(2017/08/19)
準天頂衛星システムと「みちびき」シリーズの軌道(2017/08/13)
やっと捉えたみちびき2号、明け方には月と金星も(2017/07/21)
今日の太陽 ― 2017/09/27
OSIRIS-RExが見た地球 ― 2017/09/27
4日余り前の23日、アメリカの小惑星探査機「オサイリス・レックス/OSIRIS-REx」が地球引力を利用したスイングバイ(フライバイ)を行いました。同様の探査機「はやぶさ2」を運用している日本と共に観測キャンペーンが行われましたが(→9月10日記事参照)、当日夜の日本は全国的な悪天…。数日前から観測をしていた天文台の大望遠鏡による画像を含め、国内での観測例は少なかったようですね。
いくつかの観測成果は日本公開天文台協会の特設ページや、日本惑星協会の特設ページで見ることができます。また海外の例はSpaceWeatherの投稿画像ギャラリーに何枚かありました。
さて、左上画像はスイングバイ中のOSIRIS-RExが撮影した地球だそうです(引用元の本家サイト記事はこちら)。ものすごいスピードで通過中ですから、超短時間露光の撮影ですね。 どの辺りを撮ったのか気になりましたので、写っている地形を頼りに地図を大まかにフィッティングしてみました(右下画像)。おぉ、日本が写っている!でも雲が多すぎる…。
OSIRIS-RExの小惑星到着は2018年10月の予定。数ヶ月先行してはやぶさ2も目的地に到着します。来年の今ごろは小惑星探査のニュースが飛び交っているのでしょうか。そして、OSIRIS-RExも、はやぶさ2も、再びこの地球の姿を見ることができるでしょうか。とても楽しみです。
いくつかの観測成果は日本公開天文台協会の特設ページや、日本惑星協会の特設ページで見ることができます。また海外の例はSpaceWeatherの投稿画像ギャラリーに何枚かありました。
さて、左上画像はスイングバイ中のOSIRIS-RExが撮影した地球だそうです(引用元の本家サイト記事はこちら)。ものすごいスピードで通過中ですから、超短時間露光の撮影ですね。 どの辺りを撮ったのか気になりましたので、写っている地形を頼りに地図を大まかにフィッティングしてみました(右下画像)。おぉ、日本が写っている!でも雲が多すぎる…。
OSIRIS-RExの小惑星到着は2018年10月の予定。数ヶ月先行してはやぶさ2も目的地に到着します。来年の今ごろは小惑星探査のニュースが飛び交っているのでしょうか。そして、OSIRIS-RExも、はやぶさ2も、再びこの地球の姿を見ることができるでしょうか。とても楽しみです。