また奄美付近で豪雨2017/09/05

20170904-1500気象衛星画像


20170904-1630降雨
昨日9月4日の西日本や関東南岸などでは継続してしっかりした雨が続きました。中でも奄美地方は長時間に渡って強く降ったようです。午後には奄美大島の東にある喜界島での記録的短時間大雨情報が二回(14:00、16:20)発表になりました。なお、干ばつにあえぐ沖縄地方は3日夜に強い降雨があり停電になった地域もでたようですが、残念なことに4日はあまり降っていませんね。

左は4日15:00の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色に着色した雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。発達した巨大な雲のかたまりが喜界島付近を覆っていますね。またその下は気象庁サイトからの引用で4日16:30の降水ナウキャスト。

喜界島は台風5号が居座ったときも、8月4日からの三日間で500mmを越す降雨がありました。でも昨日18:00段階で既に24時間降水量が434.5mm(速報値)で、8月5日のトップ記録をあっさり抜いてしまいました。同時刻の48時間降水量も475.0mm(9月記録更新)に達しています。喜界島の年間降水量平年値は1850.6mmですので、この一ヶ月…実質は台風5号と今日までの数日間の合計5日ほどの豪雨で、年間の半分降ってしまったことになります。

台風5号のときと比べて今回余りにも短時間で記録更新されたため、雨量の変化が気になりました。そこで8月6日の記事と同様に気象庁の10分計測(速報値)を使って下図の通りグラフを描きました。アメダスポイントの喜界島と笠利(奄美大島北部)、それぞれの台風5号時と今回とを一緒に描いてあります。

これを見ると、今回の降り方はえげつないことが分かりますね。トータルでは8月・9月とも同程度の500mm越えですが、だんだん増えた台風5号時と違い、今回は9月4日12:30頃から16:30頃まで一気に300mmも降っています。こんなに急では、日本のどこに住んでいても警報が耳に届いてから安全な場所に移動するのは不可能に思えますね。

雨雲はゆっくり移動し、今日明け方からは屋久島付近で大雨となっています。5時には記録的短時間大雨情報が出ました。どうか被害が少なくて済みますように。

  • 20170904喜界島豪雨

    喜界島の雨量変化
  • 20170904喜界島豪雨

    喜界島の積算雨量変化


カテゴリー4に達したハリケーンIrma2017/09/05


20170904-1800UTハリケーンIRMA
アメリカ本土にカテゴリー4で上陸したハリケーンHarveyが記憶に新しいですが、大西洋から別のハリケーンが向かってきました。

NATIONAL HURRICANE CENTERによると、このハリケーン「Irma」は9月4日21:00UTC(5日6:00JST)の時点でカテゴリー4(114−135ノット/約59−69m/s)に達しました。当ブログ8月31日の記事でHarveyの雨量のことを取り上げましたが、記事中に掲載した衛星画像にもIrmaが写っています。

左は4日18:00UTC(5日3:00JST)の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。赤点円はハリケーン中心の直径1000km円。既に立派な目が確認できますね。今週末にかけてアンティル諸島北海岸をなめるように進む予報が出ています。

20170905-2100UT・ハリケーンIrma
去年9月末にこのあたりを通ったハリケーンMatthewは諸島南側のカリブ海を通過中に一時カテゴリー5(最上位)に達し、ハイチなどで千人規模の死者と住居やインフラ破壊を残してゆきました。ハリケーンIrmaも同規模で島々を縦断しそうです。被害が少ないと良いのだけれど…。


(6日朝追記)ハリケーンIrmaは5日12:00UTC(21:00JST)、カテゴリー5まで成長しました。右は左上画像から27時間後、5日21:00UTC(6日6:00JST)のIrma拡大画像(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。ハリケーン中心は小アンティル諸島北部に到達しています。