今日の太陽と強いフレア2024/05/11

20240511太陽
昨夕はまたしても薄雲に覆われ、三日月観察は諦めました。その後も今日に至るまで量の大小はあるけれど薄雲が空を覆っています。午前中から前日より強い風が吹き、最大風速は7m/s超え。今夜も星月の観察は難しいかも知れません。

20240511太陽リム
左は11:10ごろの太陽。実は観察の少し前に太陽の様子をNOAAデータで調べたところ、10:23ごろをピークとするX5.89クラスのとんでもなく強いフレアが発生していたのです。すぐ撮影したかったけれど、観察場所にまだ日が当たっていませんでした。

ヤキモキしつつ少し待ってから強風のなか無理矢理撮影。フレアの場所は5月頭から広い黒点群を見せている13664+13668。下A画像はSDOサイトからの引用でフレア直後の様子。また下B画像はSOHOサイトからの引用で、約3時間後のコロナグラフ。カラスウリの花のように広がるコロナとSnow Stormが見えていますね。

下C図として今年4月頭から今日昼過ぎまでのGOESデータを使って描いたX線フラックスのグラフを示しました。横軸はUT区切りのタイムライン。今月に入り、3日UTから今日までに11回ものXクラスフレアが起きています(緑丸印)。そのなかで今日のフレアが最も強く、その次に強かったのは6日のX4.5クラスでした。世界各地で低緯度オーロラが観測されているようです。日本は昨夜に東北・北海道が雲多めだったようですが、ここ数日は狙い目かも知れません。真夜中プラスマイナス2.5時間程度(薄明/薄暮の無い時間)・真北の低空に注目です。※光害を避けて観察してください。

いっぽうでGPS異常なども心配です。天文関係者ならこういった情報に敏感なので注意できるかも知れませんが、異分野でGPSを活用しているとうっかり無頓着なトラブルになってしまう可能性もありますね。最近は試験的に田植えや雑草取りなど自動運転や、ドローンによる撮影・監視・配達などの運用にGPSを活用する例も出てきました。GPSユーザーの末端に至るまで宇宙天気情報を行き届かせなければ十分な安全運用は保証できません。現在進行形の大きな課題と言えましょう。

  • 20240511_012532UT_SDO-AIA131

    A.SDO
  • 20240511-0430UT-SOHO

    B.SOHO


  • 2024年4-5月_X線フラックス

    C.X線フラックス


20240511-0730UT-SOHO
【追記】
上B画像から更に3時間後。SOHO画像がSnow Stormだらけ、ノイズが吹雪いてます。金星や木星の存在が霞んでしまいますね…。

【2024.5.21追記】
日本農業新聞によると、一部の自動操舵田植え機が操舵ズレを起こしたようです。太陽フレアとの因果関係は不明ながら、関係ないと言い切れない面もありますね。

コメント

トラックバック