静かな月夜で始まる2021年2021/01/01

20210101_19760月
2021年1月1日は静かに訪れました。例年だと、そこかしこから除夜の鐘とともにカウントダウン花火が鳴り響き、初詣や初日見物に繰り出す車の音で騒々しくなります。でも今年はびっくりするほど静か。少年のころ田舎で迎えた正月のようでした。

空はきれいに晴れ上がっています。静けさを強調する月光の演出。撮り初めは月と決めていたので、0:00になるのを待ってシャッターを切りました。左画像の撮影中間時刻0:18(モザイクのため複数カット構成)における太陽黄経差は約197.6°、撮影高度は74.8°、月齢は16.96。この時期にしては大気が落ち着いてました。

庭先の気温はマイナス5度。近くのアメダスポイントではマイナス7.0度を記録したようです。当地・茨城県南部としては記録的な冷え込み。かなり乾燥しているため全く結露せず、手のひらはカラカラ。撮影後ほぼ南中した月をあらためて仰ぐと、ものすごく天頂に近くて驚きました。当地では時に南中高度が80°近くになるけれど、満月期とは限りません。あらためて計算したら、2021年最初の月高度は77.4°に達したことが分かりました。昨日、今日と、まさに天から降り注ぐ月光なのでした。

2021年の月に関するメジャーイベントは5月の皆既月食と11月の部分月食ですが、個人的に楽しみにしている超マイナー(?)なイベントが二種あります。そのひとつが「センタームーン」。(※もう一つはまた後日に。)センタームーンは2019年1月20日の記事で紹介したことがありました。天文リフレクションズさんにも詳しい特集があります。

秤動という動きがあるため、なかなか正面を向かない月面。「月の見た目の中心は月面座標のどこなのか」を描いた秤動図を見ると、緯度経度ゼロ近くを通ることは数年おきに数回程度しかありません。しかも真ん中に光が当たってる月相とは限りません。下A-D図として2018年から2021年まで、各1年間の秤動図を示します。リサジュー曲線とか、ペンデュラムのサンドアートみたいですね。今年は月中心近くを何度か横切っており、2018年以来のチャンスであることが分かるでしょう。詳しい解説は時期が近くなってから取り上げたいと思います。

  • 月の秤動(2018年)

    A.2018年
  • 月の秤動(2019年)

    B.2019年
  • 月の秤動(2020年)

    C.2020年
  • 月の秤動(2021年)

    D.2021年


20201231木星と土星の接近
おまけ:右画像は2020年大晦日の「離れつつある木星と土星」。近くの恒星を一緒に撮っていますから、下記データを参考に離角を目測してみてください。低くなったけれどまだ十分に近いですよ。画像下部の薄黒い線は電線。そろそろ撮り納めかな!?

  • α1Cap・α2Cap間が6.35′
  • ρCap・πCap間が32.45′
  • νCap・α2Cap間が40.29′
  • α2Cap・ξCap間が82.38′
  • νCap・βCap間が121.44′
  • πCap・σCap間が125.10′


今日の太陽2021/01/01

20210101太陽
昨夜は快星、2021年最初の朝も快晴スタート。3m/s程度の風が吹いています。

20210101太陽リム
左は10:30過ぎの太陽。活動領域12794・12795の黒点たちは無事年越しできましたが、12795のほうはかなり細かくなってしまいました。12794の黒点両側に明るい部分が見えたのでフレアかと思いましたが、この撮影の20分後あたりに鋭いピークとなったB3.1クラスのフレアは12795のほうでした。

右下リムのプロミネンスは今日も豪華。光球内に入ってしまい見づらいけれど、左下の元プロミネンスも大きいまま残っていますね。いよいよ明日は地球の近日点通過日。年間でもっとも太陽が大きく見える日です。晴れるかな?