湿度100%の空で月と小惑星の観察2021/01/26

20210125_14019月
日中が暖かかったせいか、昨宵の気温も急には下がりませんでした。常に薄雲が流れており、その向こうから丸みを帯びてきた月が照らします。雲の薄いところを通して月面を撮影してみましたが、コントラストやシャープネスがやや落ちてしまいました。

左は20時少し前の撮影で、太陽黄経差は約140.19°、撮影高度は約71.5°、月齢12.25。29日明け方に満月を迎えます。南部のシラーがよく見え、シッカルドやアリスタルコスが朝を迎えています。リュンカー山を期待しましたが、まだ影の中。1日後は見頃だけれど天気が崩れそう。

秤動で月全体がかなり正面を向いていたため、危難の海がリム寄りで小さく感じました。縁の海あたりは全く見えません。北側のフンボルト海がリム上にあり、少し凹んでいますね。月のリムは結構デコボコしていて、月齢に関係なく真円にならないところが面白いのです。

少し経つと、空に貼り付いて取れなかった薄雲が無くなりました。遅い時間に月を撮ればよかったと後悔しましたが撮り直しはしませんでした。昼の暖かさで空中に充満した水蒸気が一斉に凍り、機材も周囲もガチガチ。

20210126小惑星Apophis(99942/2004 MN4)
霧が出る予報でしたが明け方まで天気が持ちそうだったため、一週間前にも撮影した小惑星アポフィスを再撮影しました。本当は月が明け方に残らないうちに再撮影を予定していたのですが夜間の天気が芳しくなく、今朝になってしまった次第。ただ、月明かりはあったけれどシーイングがそれなりに良かったのは幸いでした。

一週間で0.4等ほど明るくなり、17等台後半に入りつつあるため、かなりはっきりした像を結んでくれました(右画像/中央の点像)。2時間あまりの露出でも随分動きますね。さすが(?)は「潜在的に危険な小惑星」。現在の地球との距離は約0.179天文単位。もう一ヶ月あまりで0.113天文単位まで接近します。