久しぶりの太陽観察2019/07/08

20190708太陽
七夕だった昨日は全く晴れず、テンションだだ下がりです。おまけに二十四節気の「小満」を迎えたにもかかわらずとても寒い1日でした。曇り空は今朝まで続きましたが、午前中に出かけているうち段々薄日が差し、昼過ぎには三割ほど青空が広がってくれました。

20190708太陽リム
左は13時頃の太陽。二週間近く見ることができませんでしたので、実に久しぶりの観察です。NOAAの記録によると左下に若干明るくなっているところが活動領域12744になっているみたい。自分的には10時方向のリムに明るい点が見えているのが気になります。プロミネンスは淡いですが、2時方向のものがいちばん幅を取っているでしょうか。

20190708光環
観察に前後して、太陽に雲がかかると花粉光環と見まごうばかりの美しい光環が見えました(右画像)。雲の変形に合わせて崩れるので氷粒由来と思いますが、氷粒でこんなに真円になったのを見たのは初めてかも知れません。

さて、3日前の7月5日は地球が太陽からもっとも遠くなる「遠日点通過日」でした。毎年この日に近日点通過日の太陽と比較画像を作ってきましたが、今年は悪天続きで全くダメでした。そこで、今日の太陽でやってみることにしました。3日経っていますが、太陽の地心距離は4645km近くなっただけで、見かけの直径も0.06″角大きくなっただけなので、当ブログの画像では1ピクセルにもならない小さな差です。

下A画像は今年1月3日近日点通過時の太陽と比較したもの、B画像は今日の撮影時における太陽の向きです。これから来年に向けて少しずつ太陽が大きく見えるようになります。

  • 20190708太陽比較

    A.太陽視直径の変化
  • 20190708太陽の向き

    B.太陽面の向き
    (2019.7.8 13:00JST)


三重の中村さん、はくちょう座に突発天体発見2019/07/09

20190708-TCP J20225930+5239030
三重県の中村祐二さんが七夕の夜(7日15:39UTごろ=8日0:39JSTごろ)、はくちょう座の一角に12.2等の突発天体を発見したそうです。矮新星かも知れないとのこと。昨夕少し晴れ間があったので早速準備にかかりました。

ところが薄暮が終わると同時に雲が大量にやって来て、折からの強い北寄りの風で気温も低くなりました。どう考えても撮影は困難そうでしたが、わずかに見え隠れする夏の大三角を頼りに雲向こうの対象方向に望遠鏡を向けました。あとは自動で何十分か撮影。12等星なら少しでも雲間が通過すれば写るだろうと賭に出ました。

結局鮮明に星が写ったコマは一枚もありませんでしたが、薄雲越しに恒星が確認できる5枚分(トータル約2.5分)をコンポジット。無理矢理仕上げてみました(左上画像)。雲は画像処理で強引に取り除いてあります。画質はザラザラですが、どうにか突発天体は写ってくれました。悪天続きの日本列島ですが、わずかな晴れ間を逃さず天体発見に精を出す捜索者の皆様に脱帽ですね。(※あまりにも撮影コンディションが悪かったので、7月10日夜に撮り直しました。

今日の太陽とハロ現象2019/07/10

20190710太陽
昨夜もずっと曇り空。今朝からもずっと曇り空。昼ごろに少し青空が見える隙間ができていましたが、太陽観察できるほどの広さではありません。ようやく16時頃になって低空から青空が広がり始めました。

20190710太陽リム
左は16:05過ぎの太陽。高度30°近くまで下がったので大気の揺らぎが結構ありました。活動領域12744が南半球の中程まで進んできました。この画像では分かり辛いですね。右端に大きなプロミネンスが出ていました。

20190710光環
二日前と似たように昼時太陽を覆った雲にきれいな光環が見えました。ただ今日の雲は一様ではなかったため、二日前ほど真円にはなってくれませんでした。

はくちょう座の突発天体を撮り直し2019/07/11

20190710_TCP J20225930+5239030
3日前の7月8日夜に撮影した中村祐二さん発見の突発天体について、コンディション最悪の撮影が心残りでした。昨夕から夜半前まで薄雲がときおり通過しながらも星が見えていたため、再度撮り直しを試みました。風があったので迷いましたが、焦点距離を伸ばし拡大率を上げました。

シーイングが最悪に近かったので星像は悪いですが、なんとか18等前半の微光星まで捉えることができ、青く光る突発天体もしっかり写ってくれました。天の川のほとりにあるため星がたくさん写りますね。撮影を終える頃はかなり雲が多くなり、夜半過ぎには何も見えなくなりました。