奇跡の晴れ間に彗星観察するも…2018/09/28

20190928ステファン・オテルマ彗星(38P)
昨日は朝から結構な雨模様。昼過ぎまで降っていました。夕方になると急速に回復し、日没間際に夕日が差し込んできたのには驚きました。夜はそのまま快星となり明け方近くまで続いたのですが、いかんせん満月期ですからかなり明るい夜です。でも貴重な晴れ間なので、夜半過ぎから準備して彗星を観察しました。

一番の狙い所はバラ星雲とジャコビニ・ツィナー彗星(21P)とのランデブーでしたが、かなり明け方近くにならないと近隣の住宅や電線が邪魔で見えません。15°ほど西にいるステファン・オテルマ彗星(38P)が先行して登っていたので、先に撮影しながら待つことにしました。

ステファン・オテルマ彗星は17日に撮影したときより明らかに明るくなっており、月夜なのに核がしっかり写ってくれました(左上画像)。尾は見えませんがごく淡い緑色のコマがかなり広がっています。コマの裾が分からないので光度が測れませんが、10等台後半に入ったと思われます。冬にかけてもう1等ほど明るくなるので楽しみですね。

気温が12度まで下がったのでカメラノイズの発生もグッと少なくなりましたが、良いことばかりではありません。雨が降ったかのような結露が発生したのと、(予想してましたが)霧が辺りを覆ってしまいました。ジャコビニ・ツィナー彗星(21P)を何とか導入したものの、月も見えなくなるほど濃い霧になってしまい、諦めざるを得ませんでした。次に晴れるのはいつでしょうか?

今日の太陽2018/09/28

20180928太陽
久しぶりに朝から太陽が見えています。秋分を過ぎたので、可能な範囲で東窓からの午前観察に切り替え。気温が上がり始める前のほうが大気が安定します。

20180928太陽リム
左は9:50頃の太陽。活動領域はありません。南半球の南極寄りに結構大きなフィラメントが伸びているようですね。その続きなのか、左下リムにプロミネンスが見えています。あとは小さなプロミネンスのみの静かな太陽面です。

24号に加えて新たな脅威2018/09/28


20180928-1500気象衛星
大型で非常に強い台風24号が南西諸島に接近しています。その後北東向きに転進し、日本列島をくまなく横断する予報となりました。十分な警戒が必要ですね。

気象庁速報値を使って、24号発生以降の中心気圧、最大風速、強風域直径、および移動速度と累積移動距離の変化グラフを作図したので、記事下に掲載しました。一時期歩くより遅いスピード…というか、データ上は止まっていたこともありましたが、28日現在少しずつ速度が上がってきたようです。このグラフは台風が弱くなるまで適宜更新する予定なので参考にしてください。

さて24号だけで一杯一杯なのに、新たな脅威が加わりそうです。本日午後、気象庁から「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が発表されました。左上は熱帯低気圧発生時刻である15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤およびオレンジの点線円は各嵐中心の直径1000km円。熱帯低気圧は既にかなり大きな雲の固まりになっていますよ。

2018092806_30W
Joint Typhoon Warning Center(JTWC)によれば、この熱帯低気圧は10月3日ごろにかなり強くなりながら南西諸島付近へやって来る見込みです。右図は15:00時点を基準に計算されたいくつかの気象モデルによる進路予測。(※図中のZ付き時刻は世界時。括弧内は最大風速予測値。)24号と似たコースながら、迷いなくサクサク進むのが特徴のようです。24号が去って数日経ったらもう次の心配だなんて…。本州側へUターンする可能性も高いですね。まだまだ気が休まらない日々が続きそうです。

(下図:2018/10/1 13:30更新/24号は10月1日12:00JSTに温帯低気圧になりました。)

  • 2018年台風24号

    A.中心気圧
  • 2018年台風24号

    B.最大風速
  • 2018年台風24号

    C.強風域直径
  • 2018年台風24号

    D.移動速度と距離