カタリナ彗星はM101銀河に接近中2016/01/16

20160116カタリナ彗星(C/2013US10)
お天気は下り坂に差しかかっています。昨夕に湧き始めた雲は宵のうちこそ目立ちませんでしたが、夜半には空をすっかり覆いました。明日17日はカタリナ彗星(C/2013US10)が地球最接近の日。見かけ上でもM101という銀河に大接近の予定。でも今日より更に天気が悪い予報です。最接近は諦めて、今日の朝に賭けるしかないと、早朝雲が広がる中で望遠鏡をスタンバイしました。10分でも晴れ間があれば撮影できますからね。

待ちに待って5時少し前。ようやく厚い雲が途切れました。薄明開始20分前です。試写する間もなく大慌てで構図を決め、ひとコマ分(総計60枚撮ります)をどうにか撮ることができました。左画像の画角は約5.3°×3.5°。向きはいつもと違い、左方向が天の北/上方向が天の西方向で、恒星位置基準の合成処理をしています。途中淡い雲が何度か通過したので画質は少し劣化していますが、写せただけだけでも幸せ…。右下画像は文字入りです。

20160116カタリナ彗星(C/2013US10)
M101は「回転花火銀河」とか「風車銀河」などの愛称で呼ばれるフェイスオン銀河。(フェイスオンとは、ピザのように平らな銀河を、美味しそうな具が正面になるように見るという意味。コルニチョーネ(=縁)しか見えない向きはエッジオン。)かなり大きいので、昨日撮影したM51との競演よりも見栄えがしますね。周囲には11等前後の銀河がたくさんあります。

明日朝のカタリナ彗星は更に近くに見えることでしょう。当地茨城のお天気はかなり絶望的ですが、日本のどこかで楽しんでくださる方がいらっしゃることを願っています。

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2016/01/16

20160116太陽
朝から良く晴れています。日が高くなると風が出てきました。観察時間をいつもより少し早めてみましたが、気流は相変わらずひどい揺れです。

20160116太陽リム
左は10:30頃の太陽。全体が自転で移動した以外は昨日とさほど変わりません。左やや上のリムに新しく小さなプロミネンスが見え始めました。今後の展開が楽しみです。

ところで西に近づいた活動領域12480の黒点を眺めていたら、突然小さく明るい光が見えました。左上の画像ではスタック枚数が多くて均されてしまいましたが、いちおう黒点下に小さくて白い光が見えていますね。

20160116小フレア
時間分解能を上げるために1分あまりのスパンで3回に分けて切り出した画像も左に載せておきます。小さなフレアが発生し、変形してゆく様子が分かるでしょうか。眼視観察ではもっと複雑に変化していました。このあとすぐ小さくなって発生から3分も経たずに消えました。別に見えている12485でもほぼ同時刻にすごく小さな活動を見ることができました。偶然でもこういう現象に出会えると嬉しいですね。