M51に接近したカタリナ彗星2016/01/15

20160115カタリナ彗星(C/2013US10)
昨夜は宵のうち少し雲が出て、撮影しようと思っていたパンスターズ彗星(C/2013X1・後述)があまり良く写せませんでした。でも夜半過ぎには良く晴れて、明け方のカタリナ彗星(C/2013US10)は問題なく観察できました。ただし透明度はそんなに良いわけではなく、風もありました。

左は5:00頃のカタリナ彗星。画角はここ何夜かと同じで約5.3°×3.5°、上方向が天の北方向で、彗星の移動に合わせて合成処理しています。また右下画像は左画像の白黒反転です。
20160115カタリナ彗星(C/2013US10)
中央上の明るい星は北斗七星のひとつ、アルカイド(おおぐま座η星)。北斗七星は明け方頭上に見えますので、彗星を探すのも楽でしょう。光害がひどい街中での撮影なので、今回は光害カットフィルターを使った上で露出を長めにしました。ダストテイルがいつもより濃く写っています。

カタリナ彗星の位置
昨日の記事に書きましたが、今朝のカタリナ彗星は有名なM天体のひとつ、M51に接近していました。左にステラナビゲーターで作ったここ数日の星図を載せておきます。 右下画像は上と同じ機材でM51まで入れた画像です(恒星基準で合成処理)。窮屈な構図になってしまいましたが、右下に渦を巻いたM51銀河と、すぐ上に寄り添うチビ銀河のペアが見えます。

20160115カタリナ彗星(C/2013US10)
M51は「子持ち銀河」の愛称で親しまれ、銀河の観察を楽しむ方にはアンドロメダ銀河等と肩を並べるメジャー級の知名度です。明後日17日には別のM天体であるM101(回転花火銀河)に大接近。今回よりずっと近く、銀河自体も大きいので見応えがありそうです。お天気だけが心配…。(※明日朝もかなり近いです。→16日記事はこちら。

20160115_0429地震
蛇足ですが、このショットを撮り終える寸前に震度2の地震がありました。左は該当ショットの一部分を原寸で切り出したもの。すべての星が揺れまくっていますね。もったいないから、このまま構わず合成してしまいました(笑)

さて、パンスターズ彗星(C/2013X1)を昨夕19時頃に写してみました(左下画像)。この彗星は現在日本から見える彗星のなかでカタリナ彗星に次いで明るい8等級クラスです。(※昨日の記事中のパンスターズ彗星(C/2014S2)とは別物。)

20160114パンスターズ彗星(C/2013X1)
記事冒頭に書いたように、残念ながら宵空は雲が流れて光害も著しく、おまけに月が近くにあったので画質は良くありません。いちおうエメラルド色のコマや、うっすら伸びる尾が分かりますね。

パンスターズ彗星は1月初旬にバーストを起こして予定より明るくなりました。この春にはカタリナ彗星よりも少し明るい5等程度まで増光するだろうと期待がかかっています。ただし増光した頃は日本から少し見づらい位置なので、今のうちに楽しんでおくことをお勧めします。現在彗星は夕空でだんだん低くなっていて、1ヶ月後にはもう見つけるのが難しいでしょう。

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

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