外合後の金星を確認、BlueWalker3も初めてとらえる2022/11/21

20221121金星
昨日から今朝にかけてまとまった雨が降りました。昼には回復したものの雲が多く、太陽観察ができないまま夕方近くになってしまいました。さすがに低すぎるので諦めました。

日没前は低空までよく晴れていたので、金星と水星を探してみました。二惑星は本日21日13:04JSTに約1.274°まで接近しているはず。85mm+APS-Cの画角と沈みかけている太陽を頼りに探すと、金星はすぐ見つかりました(左画像)。でも水星は見えません。左画像では金星の左下、電線の間にいるはずですが、空の明るさとノイズに埋もれてしまってます。もう少し暗くならないとダメみたい。

20221121-0530UT_SOHO
右は太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラが本日とらえた金星と水星。両惑星とも外合を経て東(左)へ動いているので、もうすぐ写野から出てしまいます。最接近に間に合いましたね。

24日から左上画像の写野に月が入ってきます。低空までよく見渡せる場所+天気なら、25日には極細月が二惑星と共に見えるでしょう。月の近くにはもちろんアルテミス1・オリオン宇宙船もいるはずです。

20221121ブルーワーカー3
金星撮影後、日が暮れて1.5時間ほど経ったころ、大型の商業通信衛星として話題となっている「BlueWalker 3」が西空を通過したのでこれも観察してみました。BlueWalker3は今年9月10日にスターリンク相乗りで打ち上げられ、11月14日に太陽電池を兼ねた大型アレイアンテナの展開を終了したばかり。地上から見ると最大光度が国際宇宙ステーションに次いで眩しい可能性があるといわれ、改良を重ねて更に大型化した上で100基以上の衛星コンステレーションを構築する予定とのこと。電波天文学の使用帯域とも重複するため、天文学にとってスターリンク以上に厄介な存在になりそうです。

雲が多い中で撮影したため正確な明るさは分かりませんでしたが、今回はおそらく3等以下程度だと思われました(左画像)。黄色矢印に挟まれたところに軌跡が見えます。12月に入ると高いパスがいくつかあるようですから、様々な位相で撮影してみたいと思います。衛星コンステレーションについては明確な制限が無いままずるずると計画や打ち上げが進んでおり、しかもみんな慣れてしまったためか反対運動などは影を潜めてしまいました。便利になることは認めますが、後になるほど「迷惑だからやめてください」と言えなくなる雰囲気ができてしまってます。

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