満月過ぎの月と板垣さん発見の新天体2021/04/28

20210427_18633月
昨夜は満月を過ぎた月が街を照らしていました。天気が下り坂のせいか、早い時間から薄雲が空を通い始め、湿度も高い状態。いつ曇ってしまってもおかしくありませんので早めに月観察したかったけれど、なにせ南緯が低くてなかなか隣家から顔を出しません。

結局望遠鏡を向けることができたのは22時台でした。いっそこれなら満月日である27日を超えない範囲で、できるだけ南中に寄せてしまおうと思い、西からやってくる雲のご機嫌を伺いつつ待ちました。かくして左画像撮影は満月から約10.5時間余りすぎた状態になりました。思いのほか気流が安定し、待って正解でした。撮影時の太陽黄経差は約186.33°、撮影高度は約37.9°、月齢は15.49。昨夜の撮影より4°も低いのに写りが良くてびっくりしました。

月の北極方向を画像上方向にしてあります。満月を過ぎたので、向かって右側が欠け始まっていますね。フンボルト・クレーターがとてもはっきり見えますが、秤動のせいでフンボルト海は縁+αしか見えません。ダブル・フンボルトと言うにはひと押し足りませんね。満月瞬時は地面の下で見えませんでしたが、半日前と半日後の丸い月を両方見ることができて本当にラッキーでした。

20210428_AT2021kni in NGC7767
ところで、山形の板垣公一さんが27日3:20過ぎ、NGC7767に16.7等の超新星候補天体を発見したとのこと。今日28日からは何日か悪天が続くようなので夜明けまでに撮影したかったのですが、月撮影直後からやや厚みのある雲がやってくるようになりました。文字通り、「雲行きが怪しい」…。

めげずに準備したせいか、該当方角は薄明頃までなんとか薄雲通過で済みました。ただしそれでもハードルが高い撮影です。天文薄明開始時点で高度15°あまり、低空の光害と上空からの満月光に加えて薄明がありますから、天体を導入することすら困難を極めます。おまけに我が家からは電線密集方向のため、なんとか導入したとしてもガイドエラーや電線の写野通過を免れません。

そんな苦労を経て得られたのが右画像です。背景が明るすぎるため微かな超新星候補天体はよく分かりませんが、いくつかのあぶり出し方法を試して弱々しい光を拾い集めました。こんな天体を見つけてしまう板垣さんの能力がすごい…。撮影直前にスターリンク衛星が連続して写野を通過、撮影中には国際宇宙ステーションが上空を通過。目で見送りました。

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