銀河中心近くに明るい新星候補天体出現2021/04/06

20210406_PNV J17581670-2914490
天の川のど真ん中、銀河中心に近いところで明るい新星候補天体が発見されました。 発見したのはオーストラリアのAndrew Pearceさん。4月5日5時JST少し前の発見で、光度は8.4等とのこと。その後のいくつかの観測を見ると、V光度で8等前後になっているようです。

昨夕は一面雲に覆われており、三重県の中村祐二さんがおおいぬ座に発見した突発天体が撮れませんでした。でもその後は徐々に回復し、夜半前からは快星夜。ただ、かなりの強風に見舞われたため長焦点撮影は諦め、風の影響が少ない小さな望遠鏡でAndrew Pearceさんの新星候補天体を写してみました。せっかくですから銀河の中心も一緒にフレーミング(左画像)。

写真だと対象天体は天の川の光に包まれてしまい、特定するのも苦労します。でも眼視やモニター画面では微光星が抑えられますから、この明るい新星が浮かんでいました。銀河中心までの見かけの離角は約2.8°弱。ちょうど暗黒物質で暗くなってる境界をはさんで対称の位置です。なかなか印象深い光景ですね。簡易測定では7.95等でした。(夕方追記:せいめい望遠鏡による分光で古典的新星と判明したそうです。)

20210406_V1405 CASSIOPEAIE
新星候補天体が登るまでのあいだに、中村祐二さんが3月18日に発見したカシオペア座新星「V1405 CASSIOPEAIE」も撮影しました(右画像)。こちらも同じ天の川に浮かんでいますが、微光星がおとなしいエリアですから新星もすぐ分かります。

V1405もいまだに明るく、おたよりを頂いた新潟のSさんによると7.9等とのこと。私の簡易測定でも8.12等でした。いずれも明け方に見える8等前後の天体なので、まとめて観察できるのはありがたいです。いやぁ、それにしても今朝は久々に寒かった…。

今日の太陽2021/04/06

20210406太陽
昨夜は曇りのち晴れ。明け方に向かってどんどん湿度が落ち、気温も6度まで下がりました。朝からは雲が増え、何度か雲間から太陽観察を試みたのですがダメでした。午後になってようやくまとまった晴れ間が1時間ほど継続してくれました。

20210406太陽リム
左は14:10頃の太陽。四日ぶりです。消えてしまった活動領域12811・12812のあとに小黒点を伴う12813が発生しており、右上リム近くに対流が確認できます。左リム全体が活発で、たくさんのプロミネンスが見えていました。右下リムのも高く伸びていますね。

しばらく大きな黒点が出てないので、そろそろ出ないかなぁ。