三重の中村さんがとも座に突発天体発見2021/04/11

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4月9日21時前、三重県の中村祐二さんがとも座に14.5等の突発天体を発見したとのこと。カウントが間違ってなければ中村さんの新天体発見は今年に入って5個目となります。勢いが止まりませんね。

昨宵は薄雲が出ていたものの何とか確認撮影ができそうだったため、明るいうちから準備。ひとつ気がかりだったのは南に低い位置なので、狭い庭のどこで撮ったら建物に隠されず露出を最大にできるかということでした。宵の時間帯は付近の住人や車両の出入りが激しく、街中撮影はひどく神経を使うのです。

とも座と聞いたら反射神経的に「南半球向けの星座じゃん!」と尻込みしてしまう私ですが、不幸中の幸い(?)で、今回の突発天体は4月8日にやっと撮影できたおおいぬ座の突発天体よりも南緯が少しだけ高かったのに救われました。低空の薄雲+光害でだいぶ被ってしまいましたが、1時間あまりの露出でどうにか写ってくれました(左上画像)。周囲の星々と比べ、若干暗くなったかなという印象ですが、誤差の範囲かもしれません。これもおおいぬ座の突発天体同様に青白い色をしていました。

明け方に向かって次第に天気が良くなり、南中を過ぎていたNGC3147の超新星「SN2021hpr」を引き続き撮影できました(下A画像)。星仲間の(の)さんから「とても明るくなってる」と教えて頂いてたからです。いざ撮影すると本当にびっくりするくらい明るい!ほぼ同じ条件で撮影した4月3日撮影画像と比べてみてください。(の)さんによると現在14.9等とのこと。発見光度17.7等から大躍進です。

少し休憩してから、明け方ようやく高度が出てきて庭から撮影が可能になったアトラス彗星(C/2020 R4)にも望遠鏡を向けました(下B画像)。現時点で日本から見える一番明るい彗星で、8等前後をキープしているようです。ずっと低かったため、私はこれが初撮影。エメラルドグリーンのコマがよく広がっており、西南西に向かって短い尾も見えます。想像以上の立派さに驚かされました。かなり移動が速く、もう少しひとこま当たりの露光を抑えないと彗星がブレてしまうことも分かりました。

計算上の光度ピークはおおよそ10日後で、未明に南中を迎えるヘルクレス座の中という最高の条件。天気さえ良ければしばらく追いかけてみようと思います。

  • 20210410_SN2021hpr in NGC3147

    A.SN2021hpr in NGC3147
  • 20210411_アトラス彗星(C/2020 R4)

    B.アトラス彗星(C/2020 R4)