北海道の砂嵐は衛星から見える規模でした2019/05/21

20190520北海道砂嵐
二十四節気の小満を迎えましたが、ホッと一息どころか、大雨やら強風やらに見舞われている日本列島ですね。昼現在、当地・茨城でも猛烈な雨が降っています。

現在進行形である雨は後ほど解析するとして、昨日20日に主として北海道を襲った強風を見てみましょう。衛星から砂嵐が見えるほどすごかったようです。気象衛星ひまわりにも写っていましたが、左に解像度の高い米国の地球観測衛星TerraおよびSuomiNPPによる画像を掲載しました(NASA-WorldViewサイトより引用)。

各衛星は午前中におよそ2時間をおいて日本付近を撮影(北海道付近の通過はTerra…9:45過ぎ、SNPP…11:35過ぎ)してますが、北海道東部から北の海へ向かって、まるで大規模火災かのような土煙の筋ができてますね。昨日のアメダス記録を見ると、北海道各地で日最大瞬間風速18m/sから29m/s近くの猛烈な風を記録しており、5月の1位記録を塗りかえています。(※同様規模の強風は北海道以外でも記録されています。)20m/s越えなんて、もう台風並みじゃないですか。この強風によって視界不良や器物損壊、交通事故まで起こってしまったようです。農作物や家畜などに被害は出てないか心配です。

20170217関東砂嵐
関東でも冬場を中心に強風が吹きますが、2017年2月17日に「春一番」として太平洋まで砂嵐が伸びるほど吹き荒れたことがありました(→ブログ記事参照)。

右は上と同じ引用で、当日の関東付近の画像(地球観測衛星Aquaによる)。この日は雲が多くて土の流れ全体が見辛かったですが、今回と同じように海のほうへかなり伸びています。でも、ザッと距離を測ったら昨日の北海道のほうがはるかに遠くまで飛ばされたみたい。風の力、侮れませんね。

20190520気象庁・黄砂実況図
【追記】左図は気象庁サイトからの引用で5月20日の黄砂実況図です。網走の視程が10km未満になっていますが、前後数日の周囲観測状況を見返すと黄砂は飛来していないと考えられるため、今回の砂埃由来による視程悪化と思われます。翌21日は帯広でも視程5km未満と観測されました。

この図の説明では、『日本とその周辺(北緯20度~50度,東経110度~150度の範囲)の気象観測所で、黄砂を含む小さな砂やちりが大気中に浮遊している状態(以下、「黄砂等」)を、観測者が目視で観測した場合、その地点を視程(水平方向の見通し)により区分して表示』と書いてありますから、「視程悪化が全て黄砂由来とは限らない」ということですね。

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