リュウグウの母天体候補を観察・その22019/05/05

20190505小惑星Polana
長いゴールデンウィークの割に当地・茨城県南部の夜がしっかり晴れたのは昨日まで一夜もありません。でも昨日の夜半前から今朝にやっと安定した晴れ間が訪れ、新月夜を堪能することができました。4月28日記事で取り上げた小惑星リュウグウの母天体候補観察が中途半端だったため、明け方の観察目標に据えてさっそく準備。

小惑星たちは明け方にやっと昇ってくるやぎ座にいますから、1回の観察でひとつ撮影が時間的限界。前回はオイラリア(495 Eulalia)を撮影したので、今朝はポラナ(142 Polana)にしました。1時間近く露出して半分は薄明にかかってしまいましたが、明るいポラナは鮮明に写ってくれました(左画像)。移動量はオイラリアと同程度です。

ポラナが登るあいだせっかくの快星なので、いくつか天体を撮影しながら待ちました。夜半前から日付越しに狙ったのは天頂を通過していた「かみのけ座銀河団(Abell 1656)」(下A画像)。数え切れないほどの銀河が写っています。2017年5月1日記事のヘルクレス座銀河団(Abell 2151)のように銀河のキャプションを付けようと思いましたが、丸1日かかりそうなので諦めます…。いずれ時間が余ったときにでも…。

その後木星に続いて南中を迎えつつある三裂星雲(M20)をロックオン(下B画像)。夜半前は霞んでいましたが、この頃になると透明度が少し上がってきました。光害たっぷりの平地で撮ってますが、工夫すればこれだけ写ってくれるので有り難いですね。ただ、やや低空なのでスカイフラットの補正がなかなか困難です。

また好条件での天宮2号通過があったので、ポラナ撮影と平行して観察しました(下C画像)。面白かったのは天宮2号がイリジウム衛星のように一瞬オレンジ色に輝いたこと。マイナス2等くらいはあったでしょうか。偶然にも太陽電池パドルが太陽を反射したのだと思われます。天宮2号でこれを見たのは初めてでした。(※9秒露出+1秒間欠で撮ってますので、衛星の軌跡が点線になっています。実際に一瞬消えるわけではありません。)

  • 20190505かみのけ座銀河団

    A.かみのけ座銀河団(Abell 1656)
  • 20190505三裂星雲

    B.三裂星雲(M20)
  • 20190505天宮2号

    C.天宮2号パス


参考:
リュウグウの母天体候補を観察(2019/04/28)
リュウグウの母天体候補を観察・その3(2019/05/16)

今日の太陽とハロ現象2019/05/05

20190505太陽
明け方まで晴れていましたが、日が高くなると少し雲が出て日差しが弱くなりました。天気がまた不安定になっているようです。

20190505太陽リム
左は13:30過ぎの太陽。薄雲がなかなか取れないので、そのまま撮影しました。活動領域12740は今日も7:34JSTごろをピークとしたC2.1クラスのフレアが発生しました。淡いダークフィラメントが近くにあるようです。プロミネンスは左上や左下に特徴的なものが確認できます。右リム側にも結構出てますね。

昼前後にはごく淡い内暈が出ていましたが、その直下を良く見ると、絶望的に淡くて短い環水平アークが出現していました(下A画像)。これは慣れてないと見逃すレベル。デジカメ画像より肉眼で見たほうが発色など分かりやすかったです。午後太陽が少し低くなってくると内暈がはっきりしてきました(下B画像)。上下に比べて左右がはっきり見えないので、外接ハロの成分が多めなのかも知れません。

  • 20190505環水平アーク

    A.環水平アーク
  • 20190505内暈

    B.内暈