一時ハリケーンになったBARRYがルイジアナに上陸2019/07/14


20190713-1500UTハリケーンBARRY
メキシコ湾に発生していたTropical Storm「BARRY」は7月13日18時UTごろ(14日3時JSTごろ)ルイジアナ州に上陸したと思われます。

左は13日15:00UTの気象衛星GOES16画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。あまり「巻き」は強くないようですが、National Hurricane Centerの速報では上陸前12:00UTの段階で一時ハリケーンの風速に達していました。

九州や四国が強い雨に長く曝されており土砂災害が心配です。同じようにアメリカでは春先から続く長雨の影響で河川の増水がおさまらない状況なんだそうです。下A図は7月12日までの90日間雨量を地図に描いたもの(雨量データ:NWS・Advabced Hydrologic Prediction Service)。こんな折りのハリケーン上陸ですから、冠水や、ひょっとしたら決壊などのリスクも高まるでしょう。

去年ハリケーンFLORENCEが上陸した際、同じ「平野」であっても日本と比べアメリカは傾斜の緩さや面積が桁違いだと言うことを等高線図で示しました(→2018年9月19日記事参照)。日本で大雨が降れば切り立った土地の崩壊が随所に現れますが、アメリカの平野部では崩れるほど切り立った土地が無い代わりに、広大な地域が水没し、しかもなかなか水が引かない被害として現れるのです。今回も決して強いハリケーンではないけれど、非常事態宣言が出されるほど深刻な様子。

BARRYは、もとをたどると陸地出身の低気圧でした(下B図)。いったん海へ出た後で海洋熱エネルギーを得て発達したものですね。一風変わったコースです。兎にも角にも嵐というものは始末に負えません。

  • 2019年7月12日までの90日間雨量

    A.90日間雨量
  • 20190714-0600UTハリケーンBARRY

    B.BARRYの経路
    (7月14日6:00UTまで)


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