降り始めからの総雨量1000ミリ越え…2019/07/04

2019年7月初旬の大雨
気象庁はアメダス降水量の統計値を、日ごと(0時区切り)、あるいはスタート時刻を区切らず連続した1時間、3時間、6時間…といった具合に72時間までの合算値を集計し、サイトで発表しています。大抵の雨は降り出してから止むまで長くて3日くらいだろうということでしょうか。

天気ニュースでよく聞く「降り始めからの総雨量が500ミリを越えて…」といった数値は終わりを区切っていませんから、3日(72時間)をオーバーすることもあるわけです。そのような大雨記録を現状の気象庁サイト検索機能で探すことはなかなか困難で、もどかしいところ。

ところで、今日明け方まで続いていた南九州の大雨は、降り始めが6月25日頃のようでした。今日まで入れれば実に10日間!途中で小康状態になったところもあるため、降り始めについては考えが分かれるところです。私は対象場所において「降り始めは1日合計10mm程度の雨が連続しだしたとき」「降り終わりは1日10mm未満が連続したとき」「途中で一時的に減っても地域全体で降っているならカウントに入れる」という独自ルールで考えてますが、これだと観測地ごとに期間がバラバラになってしまう可能性もあり、悩みどころですね。

2019年7月初旬の大雨
雨が多かった期間を設定し、2018年の西日本豪雨と今回のワースト20ポイント総雨量を比べてみました(下表)。どちらがすごかったなどと言うつもりは無く、ただただ悲惨な状況を心配するばかりです。今回の宮崎県えびのポイントでは年間降水量の4分の1以上がたった9日間で降ってしまったことに…。えびのポイントは去年のリストにも入ってますね。

大雨は「止めば終わり」とは行かず、止んだ後もしばらくは増水や崩落などの土砂災害、そして復旧までの長い道のりがあります。万が一にも梅雨時期から夏にかけて長い避難生活に突入すると、熱中症や高ストレスなどのリスクも避けられません。十年、二十年と経てばこれが常態化するというのですから頭が痛いです…。


【2018年7月初旬の大雨】※西日本豪雨
※2018年6月29日から7月8日までの日降水量合計
アメダス地点(県)総降水量(mm)年降水量
平年値(mm)
本山(高知県)1691.52616.2
魚梁瀬(高知県)1566.54107.9
繁藤(高知県)1388.03122.2
木頭(徳島県)1365.03092.4
大栃(高知県)1342.52774.2
鳥形山(高知県)1303.0
池川(高知県)1191.52793.9
ひるがの(岐阜県)1185.03288.3
長滝(岐阜県)1152.03003.5
本川(高知県)1119.03077.2
樽見(岐阜県)1116.03228.9
関市板取(岐阜県)1097.0
京上(徳島県)1044.02209.4
船戸(高知県)1032.53328.7
御嶽山(長野県)993.5
えびの(宮崎県)992.04393.0
成就社(愛媛県)965.52689.1
北山(佐賀県)900.0
須崎(高知県)899.02604.3
御母衣(岐阜県)882.03043.5
【2019年7月初旬の大雨】
※2019年6月25日から7月3日までの日降水量合計
アメダス地点(県)総降水量(mm)年降水量
平年値(mm)
えびの(宮崎県)1199.54393.0
深瀬(宮崎県)997.03370.9
吉ケ別府(鹿児島県)963.52986.3
輝北(鹿児島県)925.52757.8
大隅(鹿児島県)913.52383.4
八重山(鹿児島県)908.5
牧之原(鹿児島県)851.02642.3
溝辺(鹿児島県)831.52490.6
都城(宮崎県)821.02481.8
東市来(鹿児島県)803.02145.7
田代(鹿児島県)746.02636.8
小林(宮崎県)727.0
肝付前田(鹿児島県)693.02511.3
鹿児島(鹿児島県)692.52265.7
加久藤(宮崎県)690.02583.5
鹿屋(鹿児島県)685.02351.1
油津(宮崎県)679.52598.7
指宿(鹿児島県)674.52420.1
田野(宮崎県)663.0
湯前横谷(熊本県)661.5
  • 気象庁アメダスデータを使って独自集計した値です。集計基準が異なると思うので、報道などと少し違うかも知れません。
  • 各地点の実際の降り始めがどの時点だったかは考慮せずに期間を設定しています。
  • 年降水量が書いてないものは統計期間が短いなどで平年値が求まっていないケース。


参考:
特別警報が発令中(2018/07/07)