長く真っ直ぐに伸びた前線2017/10/15

20171015-1200衛星画像
台風20号の様子を調べようと今日の衛星画像を見ると、台風より先に前線に目を奪われました。日本を覆う様に伸びた秋雨の前線が真っ直ぐに、そして衛星画像の縁まで伸びていたからです。

左は今日12:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・経緯線等は筆者)。水色の雲は上昇してよく冷えている部分。伸びた前線の西端にあるのが台風20号です。20号は9時に大型で強い台風となりました。また画像の下部中央にある緩い雲の渦は15時に「台風になるかも知れない熱帯低気圧」として気象庁から発表がありました。

連なった前線は梅雨時や秋雨の時期に現れ、特に珍しくはありません。ですが大抵は途中に低気圧をはさみ、所々で曲がったり途切れているのが常。今日のような「連続した直線状」であることは稀なのです。前線と言っても実際にはっきりした「線状の現象」が大気中に出現しているわけではなく、あくまで図面上の模式的なものであると理解しています。それでも「連続してる」と「連続してない」、あるいは「曲がってる」と「曲がっていない」とが存在するのは何らかの違いがあるのでしょう。

20170627-1200衛星画像
今年の5月以降で、日本をまたぎ、かつ東経180°に届いている前線があったかを気象庁から6時間ごとに公開されている地上天気図を全て調べてみました。見つけたものを下に引用します。長時間継続した場合はその中で一番経度幅が大きいものを採用しました。見やすいように着色してあります。

経度幅が90°を越すケースもありましたが、天気図と衛星画像の両方で「直線的に連続した」ものはありませんでした。天気図では連続しているのに、衛星画像では雲が散漫になっていることが多々あります。下図5月20日もそのひとつ。逆に、衛星画像上で見事に直線的な雲列だけれど、天気図ではさほど長くない前線だったケースは右上画像の6月27日(経度幅が70°弱)でした。特殊な気象現象ではなく見た目の要素が大きいのでしょうが、とても興味を持ちました。(※なお実際に球面上で大円に沿った球面三角法的な直線というわけではありません、念のため。)

  • 20170520-0900天気図

    2017年5月20日9時
  • 20170620-0300天気図

    2017年6月20日3時
  • 20170708-0300天気図

    2017年7月8日3時
  • 20170909-0900天気図

    2017年9月9日9時
  • 20171015-0300天気図

    2017年10月15日3時

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