台風18号、日本を通過中(18日編)2017/09/18


20170918-0900天気図
日本列島を端から端まで移動した台風18号。日付が18日になった頃は中心が福井県と石川県の境界あたり、9:00頃には津軽半島の西側、そして夕方には北海道の稚内付近まで移動しました。(※気象庁によると、九州、四国、本州、北海道の四島すべてに上陸した台風は1951年以降の観測史上初めてとのこと。)

左は気象庁サイトからの引用で9:00の地上天気図。(※見やすいよう彩色してあります。)台風の等圧線がハートマーク(勾玉?)になってます。もともとあった秋雨前線に割って入ったのに、まるで「前線を伴う発達した温帯低気圧」のような顔をして鎮座しています。

2017年台風18号の速度変化
2017年台風5号の速度変化
北海道では明け方から午前中にかけて度々「記録的短時間大雨情報」が発表されました。降水量が少ないと言われる北海道は九州などに比べて記録的短時間大雨情報を出す基準値が少ない傾向があります(→気象庁が定める記録的短時間大雨情報発表基準一覧を参照)。ふだん雨が少ない地方に台風がやって来ると大変ですね。

今回の台風では「移動が速くなるから気を付けて」ということが盛んに言われました。これを確かめるため、今日15:00までの速報位置を使って、18号発生からの移動速度を計算してみました(右上図)。うん、確かに16日以降はググーンと速くなっていますね。比較として右下図はノロノロ台風だった5号のグラフ。横軸幅は違いますが縦軸は揃えてありますので、直接速度の比較ができます。速度のパラメータひとつとっても、台風によって多様な個性があるのですね。

河川氾濫や土砂災害が17日に発生しました。このような言い方は不適切かも知れませんが、17日に発生したことは不幸中の幸いです。もし14日から16日にかけての停滞期間に発生してたら…と思うとぞっとします。


★以下は18日の天気メモ(17日のメモはこちらへ

20170918-0000衛星画像
20170918-0000降水
左は0:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心は兵庫県、京都府を経由して福井県へ移りましたが、雨が強いところは中心周囲だけでなく東海や東北地方にもあります。
20170918-0300衛星画像
20170918-0300降水
左は3:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心は2時ごろ富山湾から日本海へ。3:00ごろは佐渡島近くと思われます。2:10に山梨県で記録的短時間大雨情報が出た地域があります。当地・茨城県も2時台には前が見えない程の凄まじい雨と10m/s前後の強風だった時間がありました。
20170918-0600衛星画像
20170918-0600降水
左は6:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心は男鹿半島西側の海上にあるようです。 大雨は2時を過ぎたころから北海道南部へ広がりました。4:00と4:10に北海道渡島地方で記録的短時間大雨情報が出た地域があります。
20170918-0900衛星画像
20170918-0900降水
左は9:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心はまだ日本海側にあり上陸していません。関東はすっかり晴れましたが、北海道の雨はピークを迎えています。次第に道東へも広がってきました。
20170918-1200衛星画像
20170918-1200降水
左は12:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心は10時ごろ北海道檜山郡付近に再上陸。いったん内浦湾へ出た後、12時ごろ胆振西部付近に再上陸。10:10と10:20に北海道十勝地方で記録的短時間大雨情報が出た地域があります。青森県八戸で最大瞬間風速41.7m/s(12:04、観測史上1位)。
20170918-1500衛星画像
20170918-1500降水
左は15:00の衛星画像と降水ナウキャスト。
台風中心は旭川市付近。北海道のほぼ全域で雨が上がりましたが、暴風域や強風域は全体を覆っています。昼前から午後にかけて多くの地域で最大風速が25m/s前後、最大瞬間風速は35m/s前後。
20170918-1800衛星画像
20170918-2100衛星画像
左は18:00(左)と21:00(右)の衛星画像。
広範囲の大雨地域は全国のどこにもありません。台風18号は21:00に温帯低気圧へ変わりました。
※上記画像は9:00から15:00まで可視光バンド1からバンド5によるナチュラルカラー処理。(水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態。)それ以外は赤外バンド7を処理し、地図画像に重ねたもの。(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。

コメント

トラックバック