今日の太陽と磁気嵐の到達2017/09/08

20170908太陽
昨日降り出した雨は断続的に今朝まで続きました。でも昼過ぎから少しずつ青空が見え隠れしています。5日ぶりに仰ぐ太陽。もちろん6日に発生したX9クラスフレア以降初めての観察です。

20170908太陽map

20170908太陽リム

20170908_X線フラックス
(A)

20170908地磁気観測所グラフ
(B)
左の太陽は14:15頃の撮影。雲がまだ流れていたので大気は結構揺らいでいました。今日は今年の中で太陽の北極側が一番地球側に傾いた日。太陽面に経緯度線を描いたのが右上画像です。7.25°というわずかな角度ですが、傾いているのは分かります。赤道付近の黒点などは真っ直ぐ右へ向かうのではなく、南に反りつつ移動するのですね。とは言え、知識として知っていても毎日見てないとなかなか分かりません。

光球面ですが、黒点が目立つ活動領域12674と、その右下の12673がとても明るいですね。また12674の左やや上にある小さな黒点を伴う明るい領域が12679です。Xクラスフレアが出たのは12673。ループプロミネンスがキレイに見えています。


右A図はNOAAからの引用でX線フラックスのグラフ。4日分2枚をつなげてあります。実はX9.3クラスフレア以降、7日14:20UT(23:20JST)にもX1.3クラスのフレアが出ており、今のところ合計3回ものX級フレアとなっています。複数回のフレアは干渉し合って、単独よりも地球への影響が増幅するような意見もあるそうです。Mクラス、Cクラスのフレアもたくさん出ました。普段はCクラスの観察さえ貴重な経験なのに、何でしょうね、このバーゲンセールは。

右B図は私の自宅からそんなに遠くない気象庁地磁気観測所からの引用で、本日まで4日間の地磁気変化グラフ。8日0:00UT(9:00JST)前後に大幅な磁気の撹乱が生じていますね(速報記事はこちら)。平時の一日変化量が数十nT程度なのに対し、6日のフレアによる影響で今日の地磁気水平成分総変動量は206nTに達しました。太陽おそるべし。

勘違いしないようにしたいのは「爆発は一回っきり」「もう済んだこと」という思い込み。大きな事が起こるとそればかり注目され、全体を見る目が狭くなります。フレアは連続して起こる場合も多いですし、今回の磁気嵐の影響だって爆発場所が地球から完全に見えなくなるまで安心はできません。疲弊しない程度のほどよい緊張感で見守りたいですね。

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