今日の太陽とトンボのこと ― 2015/06/17
昨夜から今日にかけて50km圏内で激しい雷雨が続きました。地域が離散的ではありますが、そう遠く離れてないので心配ですね。おかげで今日の太陽は待っても待っても雲間から出てこようとせず、ようやく画像が撮れたのは16時半頃でした(左画像)。
昨日見えていた右下縁のプロミネンスが今日はうっすらです。左少し上縁のはまだ見えますね。左やや下縁に目立つプロミネンスが出ていました。 昨日は左側リムで明るいだけだった活動領域(12371)は内側に入り、黒点群を伴っているのが分かります。これ、大きそうですね。活動領域12367はちょうど中央に来てかなり目立っています。
ところで昨日の太陽記事に、観察中トンボの影がたくさん写るお話をしました(左は昨日の太陽サンプル)。今日の夕方の観察では全く見えません。ざっと調べたのですが「トンボの飛翔高度」とか「活動時間帯」の確たるデータは見つかりませんでした。
「トンボはかなり高いところまで飛ぶ」「季節に合わせて山地と平地を行き来する種もある」といったことは知っているつもりですが、初夏の平地で暮らすトンボがいつごろ何メートルまで昇るのかは分かりません。研究者が少なかったり、調査の手段が無いのかも知れませんね。
そこで誤差を多分に含むことを承知の上で、太陽動画を使ったトンボ高度を計算してみました。「こういう方法もあるよ」という試行錯誤の手助けになればと思います。
右は昨日太陽面に写ったトンボをいくつか取りだしたもの。トンボ中心に縦横200ピクセル・原画等倍です。撮影時の太陽視直径(約31.54分角)から1ピクセルあたりの写角が求まりますので、トンボ像の体長(ピクセル)を測ることによって(トンボの実体長を想定すれば)三角関数で距離を計算できます。視線方向の距離が分かれば、太陽高度(約62.5度)を使って「地面からトンボまでの高度」も計算できますね。たぶん高校生でも可能でしょう。
逆光で飛んでいるトンボの種類までは分かりませんし、ハイスピードカメラではないので像にブレがあります。でも幸いグローバルシャッターのカメラなので妙な歪みは無いと考え、エイヤッと長さを測ると、太陽上のトンボは最小で6ピクセル、最大で30ピクセルありました。今の時期この周囲で見られるアキアカネやノシメトンボ等を想定すれば実体調は35mmから50mm程度。この値を元に5mm刻みで35mm-60mmの仮想トンボを考えます。これらの値から次の様な地上高が推算できました(少数以下四捨五入)。
※体長100mmもある大型トンボ(オニヤンマなど)は一般に群れを作らないので、今回の計算では想定しません。
頭で想像していたよりずっと高く飛んでいて驚きました。山岳地なら傾斜に添った気流があるから上下移動しやすいのは分かりますが、こんな平野のど真ん中でもここまで上昇するとは…。平均的に考えたら、東京タワーやスカイツリーのてっぺんくらいですからね。本当にうまく気流を捕まえているのでしょう。夜になったら帰ってくるのでしょうか?
一番小さな像では1ピクセルあたり100m以上の差が出てしまいますが、もっと拡大したり高速シャッターを使えば誤差も減るでしょう。トンボが流れる向きや習性、時間あたりの分布変化など、この方法で様々な研究できそうな気がします。トンボの種類も特定してみたいですね。(左はノシメトンボ、2006/6/24撮影。)
昨日見えていた右下縁のプロミネンスが今日はうっすらです。左少し上縁のはまだ見えますね。左やや下縁に目立つプロミネンスが出ていました。 昨日は左側リムで明るいだけだった活動領域(12371)は内側に入り、黒点群を伴っているのが分かります。これ、大きそうですね。活動領域12367はちょうど中央に来てかなり目立っています。
ところで昨日の太陽記事に、観察中トンボの影がたくさん写るお話をしました(左は昨日の太陽サンプル)。今日の夕方の観察では全く見えません。ざっと調べたのですが「トンボの飛翔高度」とか「活動時間帯」の確たるデータは見つかりませんでした。
「トンボはかなり高いところまで飛ぶ」「季節に合わせて山地と平地を行き来する種もある」といったことは知っているつもりですが、初夏の平地で暮らすトンボがいつごろ何メートルまで昇るのかは分かりません。研究者が少なかったり、調査の手段が無いのかも知れませんね。
そこで誤差を多分に含むことを承知の上で、太陽動画を使ったトンボ高度を計算してみました。「こういう方法もあるよ」という試行錯誤の手助けになればと思います。
右は昨日太陽面に写ったトンボをいくつか取りだしたもの。トンボ中心に縦横200ピクセル・原画等倍です。撮影時の太陽視直径(約31.54分角)から1ピクセルあたりの写角が求まりますので、トンボ像の体長(ピクセル)を測ることによって(トンボの実体長を想定すれば)三角関数で距離を計算できます。視線方向の距離が分かれば、太陽高度(約62.5度)を使って「地面からトンボまでの高度」も計算できますね。たぶん高校生でも可能でしょう。
逆光で飛んでいるトンボの種類までは分かりませんし、ハイスピードカメラではないので像にブレがあります。でも幸いグローバルシャッターのカメラなので妙な歪みは無いと考え、エイヤッと長さを測ると、太陽上のトンボは最小で6ピクセル、最大で30ピクセルありました。今の時期この周囲で見られるアキアカネやノシメトンボ等を想定すれば実体調は35mmから50mm程度。この値を元に5mm刻みで35mm-60mmの仮想トンボを考えます。これらの値から次の様な地上高が推算できました(少数以下四捨五入)。
画像上の体長(ピクセル) | 6ピクセル | 15ピクセル | 30ピクセル |
実体長35mmと仮定 | 587m | 235m | 117m |
実体長40mmと仮定 | 671m | 268m | 134m |
実体長45mmと仮定 | 755m | 302m | 151m |
実体長50mmと仮定 | 839m | 335m | 168m |
実体長55mmと仮定 | 922m | 369m | 185m |
実体長60mmと仮定 | 1006m | 403m | 201m |
頭で想像していたよりずっと高く飛んでいて驚きました。山岳地なら傾斜に添った気流があるから上下移動しやすいのは分かりますが、こんな平野のど真ん中でもここまで上昇するとは…。平均的に考えたら、東京タワーやスカイツリーのてっぺんくらいですからね。本当にうまく気流を捕まえているのでしょう。夜になったら帰ってくるのでしょうか?
一番小さな像では1ピクセルあたり100m以上の差が出てしまいますが、もっと拡大したり高速シャッターを使えば誤差も減るでしょう。トンボが流れる向きや習性、時間あたりの分布変化など、この方法で様々な研究できそうな気がします。トンボの種類も特定してみたいですね。(左はノシメトンボ、2006/6/24撮影。)