金星と木星は雲の中…2015/07/01

20150701夕方
昨夜は結構な雨で、今日も一日小雨が降ったり止んだりでした。日没間際、低空にあったわずかな雲間から太陽が見え、雲底を少しだけ照らしました。でも雲はしばらくどいてくれそうにありません。

7月初日の今日はうるう秒が挿入され、一秒長い日でした。夕空では金星と木星が会合しているはずですが、少なくとも私の街からは見えません。アーカイブ:天体の接近現象一覧(惑星ペア・トップ200)によると、本日の接近は向こう50年間のなかで140位の近さでした。でもお天気ばかりは仕方ありませんね。


【金星と木星の接近・向こう10年間のチャンス】
日付時刻天体1天体2離角
2015年7月1日(水)12:49金星  (-4.4等)木星  (-1.8等)0.34° 
2015年10月26日(月)8:38金星  (-4.4等)木星  (-1.8等)1.0° 
2016年8月28日(日)7:31金星  (-3.9等)木星  (-1.7等)0.07° 
2017年11月13日(月)17:24金星  (-3.9等)木星  (-1.7等)0.26° 
2019年1月23日(水)0:15金星  (-4.3等)木星  (-1.9等)2.4° 
2019年11月24日(日)21:30金星  (-3.9等)木星  (-1.9等)1.4° 
2021年2月11日(木)23:43金星  (-3.9等)木星  (-2.0等)0.43° 
2022年5月1日(日)5:56金星  (-4.1等)木星  (-2.1等)0.23° 
2023年3月2日(木)14:05金星  (-4.0等)木星  (-2.1等)0.49° 
2024年5月23日(木)17:19金星  (-3.9等)木星  (-2.0等)0.19° 
※2015-2024年の10年間のピックアップです。
※最接近時刻に空に昇ってない場合も含みます。
※計算はCalSkyを利用しました(基点は茨城県つくば市)。計算法が違うため数値が他アーカイブと若干違います。

下画像は過去の画像から、2008年2月1日明け方の金星と木星の接近風景。離角が約1度でしたが、快晴でとても綺麗でした。この惑星ペアは約1年に1回程度接近してくれますから、条件にケチを付けなければ年に1度のお祭りのように楽しめるでしょう。

右表は向こう10年間の「金星と木星の接近リスト」。今回より近いものもあるみたい。本日見られなかった方々も、先々にこうして見応えのありそうなチャンスがあります。期待して待ちましょうね。

20080201金星と木星の接近


参考:
2015年5月-7月の金星と木星接近に関係する記事(ブログ内)

半夏生となりました2015/07/02

【半夏生の日時】
日時夏至との
日差
2015年7/2(木)  13:2010日
2016年7/1(金)  19:1510日
2017年7/2(日)  00:5811日
2018年7/2(月)  06:5011日
2019年7/2(火)  12:3210日
2020年7/1(水)  18:2110日
2021年7/2(金)  00:1611日
2022年7/2(土)  05:4911日
2023年7/2(日)  11:3810日
2024年7/1(月)  17:3310日
2025年7/1(火)  23:1510日
2026年7/2(木)  05:0611日
2027年7/2(金)  10:5011日
2028年7/1(土)  16:3810日
2029年7/1(日)  22:3210日
2030年7/2(火)  04:0811日
※各年での太陽黄経が100度になった瞬間の日時です。
※自作プログラムによります。公的発表値とは時刻が数分異なる場合があります。
今日は雑節のひとつ、半夏生(はんげしょう)です。この日までに田植えを済ませるとか、農作業をしないとかの風習を伝え聞きます。私の地方ではゴールデンウィーク前後に田植えを済ませますから、7月までずれ込むことはまずありません。知人は「タコを食べるよ」と言っていました。

天文学的には「太陽黄経が100度になった日」という決め方(国立天文台による解説)が採用されてます。原点の春分を0度として、夏至が90度ですから、そこから10度太陽が進んだ(本当は地球が公転した)のですね。残り260度回れば、春分から1年が経つことになります。現在の半夏生の決め方だと、二十四節気同様に固定の日付にはならず、また「夏至から○日目」ということにもなりません。現在は7月2日、たまに7月1日という周期ですが、先々まで計算すると、2024年以降しばらくは2年ごとに7月1日と2日が交互にくり返される周期となるようです(右表)。

正午現在、当地ではしとしと雨が降ったり止んだり。いわゆる「半夏雨」です。梅雨も折り返しとなりますが、今年は梅雨前線が南に下がり気味なので、茨城までは雨の中心が来ません。曇っているのに雨が少なく、やや肌寒い印象があります。田んぼや湿地の環境はどうなっているでしょうか。

左下画像は湿った場所に見られるハンゲショウ(2006年7月撮影)という植物。ドクダミの仲間です。白い斑入りの葉を広げ、ちょうど今ごろから小さい花を咲かせ始めます。
ハンゲショウ
雑節の「半夏生」の字もありますが、「半化粧」の文字を当てることもありますね。この時期の雨は多くの生き物にとって恵みとなりますので、降るならしっかり降ってほしいものです。

昨夜はブルームーン1朔望月前の満月2015/07/03


昨日は天気が優れず、今朝もまた結構な雨。昨夜晴れていれば、離れつつある金星と木星とともに、満月が見えるはずでした。気にして空を見ていたのですが、月の存在が分かる程度にぼんやり光る時間があったものの、クリアに晴れることはありませんでした。

20120831満月
今月2015年7月は2日と31日の2回、満月があります。つまり31日のほうはブルームーン(月間重複による)となります。昨夜の満月はその1周期前でした。この満ち欠けの1周期を朔望月(さくぼうげつ)と呼びますが、一定ではありません。平均を取ると約29.53日ですが、プラスマイナス6時間余りふらつくのです(→参考)。でも30日は越えないので、月初めに満月の場合、月末にもう一回満月になるのでした。ちなみに次回は2018年1月です。2018年は3月も2回満月があります!(なお、二至二分によるブルームーンはアーカイブを参照してください。)

前回、月に2回目の満月を迎えたのは2012年8月31日。この日は昨夜と違い、とても良く晴れました。夜半近くの南中のころに満月の瞬間を迎えたため、きれいな写真を撮ることができました(左画像)。見ていただくとお分かりのように、ブルームーンは決して青くは見えません(笑)

20120831満月
ただ、この画像が仕上がったとき私は初めて月面が色付いて感じました。大気のいたずらによる変色ではなく、明らかに月の表面の色です。デジタルカメラが微妙な色合いを強調しているような気がしました。この高感度ならぬ「高彩度」の記録スペックが、近年の月食で騒がれるターコイズフリンジ(ブルーバンド)の撮れ易さなのかなと考えています。

左上画像を彩度強調したのが右画像です。色々な色彩が見えていますね。デジカメ天体画像を強調すると「ハレーションや収差などの着色」や「デジタル偽色」の問題に悩まされますが、それとは違う、明らかに月面の色彩が撮れています。特に赤系の色と青系とにはっきり分かれているのが目立つでしょう。月面の色は土壌の年代を表しているとのこと。ブルームーンどころか、カラフルムーンではありませんか。この色彩はブルームーンの日でなくても、また満月以外の月齢でもで見出すことができます。

参考:
アーカイブ:満月とブルームーンの一覧
アーカイブ:月の形(画像集)

梅雨の上に台風が三つも2015/07/04

20150704台風が三つ
昼前に天気図を確認するとびっくり。台風が三つ並んでいます。台風9号(Chan-hom)、台風10号(Linfa)、台風11号(Nangka)の三つです。左画像は気象庁サイトの衛星画像(2015年7月4日・日本時間12時)にマーカーを入れたもの。いずれもまだ日本域から遠いものの、数日後には海上に影響が出るでしょうか。停滞している梅雨前線が活発化するかも知れませんね。

台風が二つ同時に存在するケースは珍しくないですが、三つ同時というのはそう多くありません。(レアケースと言い切れるほど少なくもありませんが…。)試しに1981年から2014年の34年間を調べたら、二つ同時存在の期間が303件あったのに対し、三つ同時は53件でした。中には四つ同時に存在した期間がなんと3件も!(下記。)特に1994年は台風が36個も発生した特異年でした。
重複台風件数(年集計)

重複台風件数(月集計)

重複台風件数(継続時間集計)
全てが日本に影響あるわけではないですが、国や生命の種別にかかわらず被害が少ないに越したことはありません。

三つ同時と四つ同時のケースの一部を下記表にまとめました。これはあくまで重複期間のみの表なので、最初の台風発生から最後の台風消滅まで考えたら半月に及ぶ場合もあります。また、右は今回調べた1981-2014年の三つ同時台風の件数を「年」「月」「継続時間」の切り口で集計したもの(四つ同時は三つ同時に分割して集計)。傾向が読み取れるでしょうか。グラフの通り、今年の発生はかなり早めです。(追記:後日の7月10日の記事もどうぞ。

台風同士が近い位置にあると影響し合います。「藤原効果(藤原エフェクト)」といって進路が通常と異なってしまう場合があるそうです(→参考)。台風が迷走するお話しをたまに聞きますが、二つ以上の大型台風が近い場合は注意が必要ですね。昨日から新しい気象衛星ひまわり8号の配信が始まり、7日からは正式運用が開始されます。さっそくこの三つどもえ台風解析に役立ちそうです。

【台風が3つ同時に存在したケース】
台風番号重複開始重複終了重複時間
2000年14号・15号・16号9月7日(木)9月10日(日)90時間
2001年16号・17号・18号9月20日(木)9月20日(木)6時間
2002年6号7号・8号7月9日(火)7月12日(金)63時間
2002年9号・10号・11号7月21日(日)7月21日(日)12時間
2002年15号・16号・17号8月30日(金)9月1日(日)45時間
2004年15号16号・17号8月20日(金)8月20日(金)9時間
2005年17号・18号・19号9月26日(月)9月26日(月)12時間
2006年7号・8号・9号8月6日(日)8月9日(水)66時間
2007年15号・16号・17号10月5日(金)10月6日(土)30時間
2009年16号・17号・18号9月30日(水)9月30日(水)6時間
2010年6号・7号・8号8月30日(月)8月31日(火)18時間
2012年9号・10号・11号8月3日(金)8月3日(金)6時間
2013年12号・13号・14号8月19日(月)8月19日(月)6時間
2013年21号・22号・23号10月1日(火)10月1日(火)6時間
※2000-2014年のみ掲載しました。(2003年、2008年、2011年、2014年は該当するケースがありません。)
この文字色の台風は上陸したものです。

【台風が4つ同時に存在したケース】
台風番号重複開始重複終了重複時間
1985年12号・13号14号・15号8月31日(土)9月1日(日)12時間
1994年17号・18号・19号・20号8月28日(日)8月29日(月)18時間
1994年30号・31号・32号・33号10月23日(日)10月25日(火)42時間
※1981-2014年の期間のみ掲載しました。(この3件以外は起こっていませんでした。)
この文字色の台風は上陸したものです。
※日付(JST換算)のみの集計だと1985年9月1日に12号・13号・14号・15号・16号の5つが同時に存在しています。ただ、5つの中で最後の16号発生より12時間前に14号が消滅しているので、時間帯までは被っていません。


参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)