ペガスス座AG星が150年ぶりの増光2015/06/25

20150622AG Peg
週始めに遡りますが、夏至の明け方に撮った画像(左)に、とある星が写っているという連絡を、星仲間のdocanさんからいただきました。とある星、というのは「ペガスス座AG星(AG Peg)」という共生星のことで、6月13日頃から突然明るくなっていたようです。この星の経緯についてはアストロアーツのこちらのニュースなどをご覧ください。

さっそく画像をチェックしてみました。22日に掲載した左の画像では、確かに該当位置(赤丸の中心)に写っていることが分かりました。黄色いエリアを再度原画から切り出したのが右下です。(原画は18mm+APS-C一眼で固定撮影15秒露出。)

20150622AG Peg
▲マークの所に写っていました。周囲の星の明るさを元に簡単に光度を求めると、7.4等星くらいです。変光星は空の至るところにあって、長期に渡って観察すると面白い対象です。でもこの星のように1世紀を超えるような低頻度の増光だと、日々飽きないで見続ける根気や、観測データを次の世代にきちんと渡していく重要さが身に染みますね。このことは学者だけではなく、誰でもどんな分野でも共通のことかなとも思います。

脱線しましたが、7等星台なら双眼鏡や小型望遠鏡で見つかる星ですね。こんな手抜き撮影で写っていたほどですから、機会があれば夜半過ぎの空を眺めてみてください。

今日の太陽2015/06/25

20150625太陽
今日は昨日に続いて梅雨の中休み。午前中は少し雲が多めでしたが、昼には雲量50%程度まで減りました。

左は12時少し過ぎの太陽。極淡い薄雲越しです。活動領域12371の黒点群はだいぶ右に寄りましたが、まだ肉眼+太陽観察メガネのみで良く見えます。しかもちゃんとふたつに分かれて見えますよ。

20150625太陽リム
昨日から良く見えている中央左寄りのダークフィラメント以外は目立つものがありません。いっぽう、プロミネンスは昨日より良く見えている気がします。左上に淡く見える半分だけのループが気になりますね。

最接近までもう少しの金星と木星2015/06/25

20150625金星と木星
夕空は昨日同様透明度がないものの、良く晴れてくれました。向こう一週間はあまり晴れない天気予報。夕空で接近する金星と木星が見えるのは今日が最後かも…と思いながら、空を見上げました。

金星と木星はぱっと見昨日とほぼ変わりませんが、きちんと比べると近くなってます。1月の金星と水星の接近に比べると日々の変化が実感できません。これは周囲の恒星に対して金星と水星が短期間で移動するのに対し、木星はあまり動かないからです。今回の接近も言うなれば「のろのろしてる草食系の木星くんを肉食系の金星さんが追い回しているの図」といった感じかな(笑)神話的には逆だけどwww

20150625金星と木星
左上画像は20時少し過ぎの両惑星です。たっぷり露出して周囲の星も浮き立たせてみました。今日も木星にくっついて衛星が見えますね。昨日と違い、左上はエウロパ、右下はカリストです。元画像では木星の左上にへばりつくようなガニメデも分かりました。

準備ができなかったので拡大や二階ベランダからの眺めはパス。その場で広角撮影を済ませました(右)。綺麗なのですが、背景がちょっと光害で濁った感じで嫌ですね。透明度が悪い日は顕著に出てしまいます。さて、次に両惑星が見られるのはいつでしょうか?

参考:
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事
アーカイブ:天体の接近現象一覧