今日の太陽2015/06/20

20150620太陽
丸3日悪天続きでした。今日明け方に雲間からチラッと夏の大三角が見えましたが、数分で隠れてしまいました。半月あまり経つと七夕がやってきますが、関東の梅雨が明けるのはあと一ヶ月近くかかることでしょう。

今朝から青空が広がりました。昼には少し雲が出てしまい、12時前の太陽観察は薄雲越しとなりました。大きな黒点はだいぶ中央に寄っていますね。この黒点は普通の視力の方なら太陽観察メガネのみで簡単に見つかる肉眼黒点です。
20150620太陽リム
日の出直後や日没直前で暗くなっている太陽なら、簡単なコンパクトデジカメのズームだけで黒点が写るでしょう。黒点の周りが明るく、30分ほど前にフレアが発生したようです。左の縁に活発なプロミネンスが見えますが、右下に大きく吹き出したプロミネンスも目を引きます。

束の間の晴れ間にアーク2015/06/20

20150620内暈
久しぶりの晴れ間ですが、期待とは裏腹に今夜にはもう崩れる予報です。何か見えないかなと思っていたら、11時頃から内暈が見え始めました(左画像)。さすがは天気の変わり目です。

13時過ぎ、今度は内暈の下に環水平アークが見えてきました。これはラッキー。最初はとても淡くてデジカメに写らない程度だったのですが、10分ほど待つと肉眼で色がはっきり分かるほどになりました。

下はいちばん濃くなった頃の画像です(下右は下左の濃い部分を拡大)。下左画像では上側に内暈が、中央下に環水平アークが移っていますね。アークたちは断片的に13:40頃まで見え続け、その後は雲の消滅と共に消えました。残念ながらその後はだんだん厚めの雲が多くなって、何も見えなくなってしまいました。梅雨の間は晴れ間が持ちませんが、辛抱強く観察を続けたいと思います。

  • 20150620環水平アーク
  • 20150620環水平アーク

20150620幻日
(夕方追記)午後遅くには何も見えないだろうと思っていたのですが、17時過ぎ夕飯の支度中になぜか胸騒ぎがして(笑)ベランダに出てみたら、なんと太陽の右にとても明るい幻日が!(左画像。右下画像は拡大。)しばしうっとり見とれてしまいました。

20150620幻日
この幻日は5分ほどで消えました。また左画像では分かり辛いですが、太陽直上の内暈位置が少し明るくなっていました。上部タンジェントアークを伴っていたかも知れませんね。太陽左の幻日は手前に雲があって見えませんでした。

20150620環天頂アーク
さらに平行して、とても淡いですが環天頂アークも見えていたようです(右画像)。目では何となく色が分かるのですが、デジカメではなかなか写らないのです。環天頂アークが下向きのアーチに感じるような気もした時間があったので、上部ラテラルアークがくっついていたかも知れません。今日のアークたちはいまひとつ精彩に欠けていました。

20150620夕方halosim


参考までに、これらを見た時間(17:20前後)の太陽高度17度を元にHalosimでシミュレートしたのが左の図です。

今月も昼間の月で金星を見つけました2015/06/20

20150620昼間の月と金星
5月22日の記事で、昼間の月を使った肉眼での金星探しをご紹介しました。記事中にもありますが、今日は正に「昼間に月で金星が探せる日」。何という幸運か、昼時に晴れ間がありましたので探してみました。(後日追記:アーカイブ・昼間に月と金星が近い日を作りましたので観察の参考にしてください。)

13:45頃に南東の空高いところを探すと、さっそく三日月が見つかりました。今日その時間だと月の左上6度ほど離れたところに金星がいるはず。距離を見当付けて目を移すと(もちろん望遠鏡不使用)…すぐキラキラした金星が目にとまりました(左画像)。今シーズン一番明るい時期(7月10日前後)に近づいていますので、とても探しやすいのです。

20150620月と金星
右画像は少し引いて撮ったもの。右下に写っている大きな雲のすぐ左上に三日月がいますよ。そこから金星を探してみてください。ちゃんと写っています。これくらいの分かり難さが現実の空で探す感覚に似ています。実際は雲に邪魔されたりしますから、短時間でサッと探し出すスキルが必要。でも決して難しいことではありません。要は慣れですね。

もちろん小さな双眼鏡が使えれば何の問題もないでしょう。視野角が何度なのか分かっている双眼鏡なら、月との距離を見当付けるのにも役立ちます。ただし太陽が視界に入らないよう十分注意してください。できれば建物の影に入り、月の近くだけ見える状態で金星探しをすれば危なくないし、日なたで探すより瞳孔が開いてくれるのでベストです。

明日の月はだいぶ離れてしまいます。次に探せるチャンスは7月19日。月が細いので探すのが難しくなりますが、金星は2度上(正午)という近距離ですからすぐ見つかるでしょう。晴れたらチャレンジしてください。今期(宵の明星側)はこれがラストチャンスですよ。

20150620月と惑星(シミュレーション図)
(夕方追記)当然ながら日が暮れる頃には三日月と金星が並んで見えるはずでした。また金星と木星が近づいているため、今夕は月、金星、木星が夕空を飾る豪華な日です。茨城県の夕方の天気は望み薄でしたが、ほんのちょっとの期待と共に暗くなるのを待ちました。(左はStellariumによる当地19:30のシミュレーション。)

20150620夕方の月と木星
まだ空が明るい準備中、三つの天体が奇跡的に雲間から見えたのでとても嬉しかったですが、写真が撮れるくらい暗くなるころには雲が大きく張り出してしまいました。唯一撮れたのは右の月と木星で、構図は左上のシミュレーションとほぼ同じです。1時間近く粘りましたが、結局金星は頑固な雲に阻まれてしまいました。肉眼では見えたので良しとしましょう。

参考:
昼間の金星を探しやすい日は?(2015/09/01)
アーカイブ・昼間に月と金星が近い日
アーカイブ:天体の接近現象一覧
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事