HAKUTO-Rの残骸が見つかったようです2023/05/25

20230524_05499月
昨夕から夜半前は快晴が続いてくれ、ときおり通過する巻雲を除けば星空散歩するのに差し支えありませんでした。ただシーイングは酷く乱れていました。

西空高く四日月が美しかったので真っ先に望遠鏡を向けました。左画像は24日19:35頃の撮影で、太陽黄経差は約54.99°、撮影高度は約37.83°、月齢は4.78。久しぶりに見る月です。危難の海や豊かの海はすっかり見えており、明暗境界はジャンセンあたりまで進んでいました。

秤動は南極側が有利で、不鮮明ながらデモナックスや二重クレーターのブサンゴも見えます。更に辿るとスコットやアムンゼン、ノビレのクレーター壁も確認でき、驚いたことに南極点を西側にかなり過ぎたコッハー・クレーター付近と思われる地形がカスプ南端に光っています。方向角が南極から実に6.2°も西側!コッハーは西経134°ですから完全に裏側の地形で、つまり右奥側から照らされた裏側地形の一部が地球側から見えてしまったわけです。ポートレート写真で使われるレンブラント・ライトで言うところのプロフィールタイプの照明に、図らずもなっているのですね。(太陽方向を表すLsは126.19°なので、月面を顔に見立てたら、ほぼ理想的な横顔のプロフィール光と言えるでしょう。)

一昨日のニュースで、NASAがHAKUTO-Rの残骸を見つけたと言う報道がありました。場所はアトラス・クレーター内の北寄り付近。左画像にも写っていますが画質が悪いので、4月27日の撮影画像を用いて場所を示します。下A画像、赤丸の中心です。下B画像はNASA発表の画像から引用しました。アトラス・クレーター底が全面に写っており、青×印が落下場所。すぐ南に直径5km弱の小クレーターが見えます。これがA画像・赤丸内に見える小クレーターです。

失敗したのは残念ですが、失敗しない成功続きもまた、とても怖い。トライ・アンド・エラーを重ねていく過程こそ重要なのだと思います。

  • 20230427月

    A.HAKUTO落下地点
  • HAKUTO落下地点

    B.HAKUTO落下地点


20230524_SN2023ixf in M101
月を堪能した後、とっぷり暗くなったところで西空に集まっている天体たち(下C・D画像)と、空高く見えているM101の超新星(左画像)を撮影。西空には四日月を中心に金星と火星、カストルとポルックス、ついでにかに座のプレセペ星団も写野に入ってきました。一週間後には火星がプレセペ星団のど真ん中を横切って行きますよ。

M101の超新星は11等前半まで増光ました。10等台の観測値もあるようです。昨夜辺りから増光が止まってるようですが、しばらくは11等台をキープすることでしょう。小型望遠鏡で眼視でも見える超新星ってなかなか出ませんから、いまのうちにどうぞ!

夜半近くになると巻雲が多くなったので観察は終了。なかなか天気が長続きしません。

  • 20230524宵の西空天体集合

    C.西空を飾る天体たち
  • 20230524宵の西空天体集合

    D.西空を飾る天体たち(星名入り)


今日の太陽2023/05/25

20230525太陽
昨夜は夜半まで概ね晴れ、夜半から今日明け方は雲が多くなりました。朝からも雲多めで推移しています。

20230525太陽リム
左は14:10ごろの太陽。薄雲越しです。黒点たちは中央にうまくまとまってますね。左リム近く、赤道を挟んで南北それぞれ小さなプラージュが見えます。北側のほうは極小黒点があるようです。左側からものすごく荒々しいプロミネンスが出てきましたよ。右やや上リムのプロミネンスも負けていません。

気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は282、真夏日地点数は3、猛暑日地点数は0。比較的涼しい?日が続きます。でも最高気温1位から順に沖縄県・波照間ポイント30.5度、北海道・佐呂間ポイント30.4度、北海道・小清水ポイント30.1度、沖縄県・伊原間ポイント29.9度…などという珍妙な結果に。