昼過ぎに火星掩蔽が起こりました ― 2024/05/05
(※6日2:00記:画像と記事を差し換え&追加しました。)
本日昼過ぎごろ、月が火星を隠す掩蔽現象(火星食)が起こりました。今年世界のどこかで見える惑星の掩蔽は28回あり、そのうち火星食は2回。12月18日の火星食は日本から見えないため、今日が唯一となります。
午前のうちに機材を用意し、2時間ほど前から月を追尾。火星は11時ごろには明るい姿を確認できました。と言ってもベースの青空光がかなり明るく、昼間の天体を観るには邪魔者でしかありません。左画像は近赤外透過フィルターを使い、青空光を大幅にカットしています。青空相手にカラーで撮る意味はほとんど無いので、今回は白黒カメラです。
残念ながら昼には風が強くなり、月も火星も視野内を飛び跳ねてしまう状態。それでも構わず数千コマ撮影をこなしました。左上画像は当地から見て火星が半分隠される12:11:40JSTを基準に、12:05:40、12:07:40…と2分おき4コマを月位置基準で重ねたもの。最後のコマは地面にめり込んでいますよ。火星の視直径は4.77″と地球接近時よりずっと小さかったけれど、天王星よりひと回り大きい量で、きちんと大きさを持って見えていました。
また右画像は出現の様子で、火星が半分見える13:19:46と、その2分後の13:21:46の2コマを重ねてあります。13:19:46の火星はとても微かですが見えますか?潜入より暗く見える理由として、現在の火星は向かって右側に自身の影ができており、半分月に隠された状態だと火星本体の影が占める面積が大きいためと考えられます。
左側の欠け際に見える大きなクレーターはシッカルト(半分)と、その下のフォキュリデスです。位置的にはバイイも見えてますが、よく分かりませんね。なお二枚の画像とも、上方向を月の北極方向に概ね揃えてあります。
潜入は見やすかったのですが、出現はどこから出るか予想が付かない暗出(月の影側から出現)ですし、月高度が低くなって霞んでしまい、風がますます強まってシーイング劣悪、とても見苦しかったです。快晴なのに強風に邪魔されるのは天文あるある(特に関東)ですが、終了した頃はめまいがするほどヘトヘトでした。でも無事観ることができて大満足。日本から見える火星掩蔽は今後しばらくありません。
本日昼過ぎごろ、月が火星を隠す掩蔽現象(火星食)が起こりました。今年世界のどこかで見える惑星の掩蔽は28回あり、そのうち火星食は2回。12月18日の火星食は日本から見えないため、今日が唯一となります。
午前のうちに機材を用意し、2時間ほど前から月を追尾。火星は11時ごろには明るい姿を確認できました。と言ってもベースの青空光がかなり明るく、昼間の天体を観るには邪魔者でしかありません。左画像は近赤外透過フィルターを使い、青空光を大幅にカットしています。青空相手にカラーで撮る意味はほとんど無いので、今回は白黒カメラです。
残念ながら昼には風が強くなり、月も火星も視野内を飛び跳ねてしまう状態。それでも構わず数千コマ撮影をこなしました。左上画像は当地から見て火星が半分隠される12:11:40JSTを基準に、12:05:40、12:07:40…と2分おき4コマを月位置基準で重ねたもの。最後のコマは地面にめり込んでいますよ。火星の視直径は4.77″と地球接近時よりずっと小さかったけれど、天王星よりひと回り大きい量で、きちんと大きさを持って見えていました。
また右画像は出現の様子で、火星が半分見える13:19:46と、その2分後の13:21:46の2コマを重ねてあります。13:19:46の火星はとても微かですが見えますか?潜入より暗く見える理由として、現在の火星は向かって右側に自身の影ができており、半分月に隠された状態だと火星本体の影が占める面積が大きいためと考えられます。
左側の欠け際に見える大きなクレーターはシッカルト(半分)と、その下のフォキュリデスです。位置的にはバイイも見えてますが、よく分かりませんね。なお二枚の画像とも、上方向を月の北極方向に概ね揃えてあります。
潜入は見やすかったのですが、出現はどこから出るか予想が付かない暗出(月の影側から出現)ですし、月高度が低くなって霞んでしまい、風がますます強まってシーイング劣悪、とても見苦しかったです。快晴なのに強風に邪魔されるのは天文あるある(特に関東)ですが、終了した頃はめまいがするほどヘトヘトでした。でも無事観ることができて大満足。日本から見える火星掩蔽は今後しばらくありません。
慣例的に火星食とか惑星食などと言われますが、実際は「食」ではなく「掩蔽」です。「食:eclipse」は天体の影が別天体を隠す(陰らせて暗くする)現象、「掩蔽:occultation」は天体が別天体を直接隠す現象で、まったく別もの。月食は「食」で間違いありませんが、日食は月による太陽の「掩蔽」です。