巣立ちの季節にふくろう星雲2019/05/08

フクロウの雛
私の住む茨城県南部の街では、フクロウの営巣が少なくとも3ヶ所確認されています。街の人口は10万を越えない程度ですが、人口密度は茨城県平均の1.8倍ほど。県南部は東京に近いため、どこも密度過剰です。それでも餌が獲れる里山が残っているためか、フクロウが暮らしてゆけるのでしょう。5月初旬には雛の巣立ちが始まります。

夜に天体観察をしていると、すぐ近くの公園から鳴き声が聞こえたり、飛ぶ姿を見かけます。森を離れて街の中心近くにわざわざやって来るなんて、どんな理由なのでしょうね?これをもって共存してるとは言いがたいですが、ともあれフクロウやアオバズク、あるいはホトトギスの声を聞きながら星を見てると、とても長閑で良い気分になれます。

5月6日の記事で「あやめの季節にアイリス星雲を撮ったらどうかな」と考えましたが、「ふくろう星雲」の名で知られる惑星状星雲M97はまさに今が旬。フクロウ巣立ちの季節にピッタリですね。今日明け方の気温はなんと3度台まで下がって冬のような星空でした。思わずこの淡い星雲に望遠鏡を向けてしまった次第(下A画像)。

フクロウの親
透明度が良かったため、続けて「かんむり座銀河団(Abell 2065)」も狙ってみました(下B画像)。写野中央付近にオレンジ色の胞子のような銀河が密集しています。15億光年も離れているので、銀河ひとつひとつが小さいこと小さいこと…中央だけでなく写野のあちこちに銀河が見つかりますよ。5月5日記事のかみのけ座銀河団(Abell 1656/距離約3.2億光年)とも比べてみてください。 なんかこの光景に既視感あるなぁと思いを巡らせてみたら、あれだ!川面で泳ぐメダカの稚魚を見てる感じ。

湿気が多くて難儀しましたが、思いがけず透明な空に恵まれ、光害の多い街中なのに淡い天体たちを掬い上げることができました。なお、記事内のフクロウ画像は以前に街の保全区で撮影したもの。ふくろう星雲は雛(トップ画像のモフモフ)のほうが似てる?

  • 20190508_M97

    A.ふくろう星雲(M97)
  • 20190508_Abell2065

    B.かんむり座銀河団(Abell 2065)


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