リュウグウの母天体候補を観察・その32019/05/16

20190516小惑星Erigone
4月28日に小惑星オイラリア(495 Eulalia)、5月5日に小惑星ポラナ(142 Polana)と続けてきた小惑星リュウグウの母天体候補めぐりでしたが、残りひとつが撮れずに10日も経ってしまいました。今朝方は月が残り薄雲も度々通過しましたが、辛うじて晴れ間は持続していたので、最後のひとつである小惑星エリゴネ(163 Erigone)を狙ってみました。

エリゴネは母天体のひとつに挙げられていたものの、今回JAXAの論文では候補から外された小惑星。でもせっかくなので撮影してあげたいと考えていたのです。5月は夜間の晴天がかなり少なく、今まで数回チャレンジしたけれど毎回曇られていました。今朝も1時間露出の半分は雲が多くて、左画像も恒星像の太さが不安定ですが、エリゴネの位置を基準にコンポジットしたところキレイな点像が浮かびました。三つの小惑星は逆行の時期にだんだん近づいているため、4月下旬頃に比べ見かけの移動量が少なくなっています。

こうして積極的に目を向けなければ一生見ることがなかっただろう儚い天体。一期一会ですが、これからも少ない時間を利用して様々な天体に出逢いたいと願うのです。

参考:
リュウグウの母天体候補を観察(2019/04/28)
リュウグウの母天体候補を観察・その2(2019/05/05)

今日の太陽2019/05/16

20190516太陽
昨夜から今朝にかけて薄雲があったものの晴れ間が続きました。今朝からも雲量4程度で青空が見えています。とても暑いシーズンになりつつありますね。

20190516太陽リム
左は12:25過ぎの太陽。活動領域12740は右リムに到達したようです。また12741も残り数日で到達するでしょう。また静穏な日々が続いてしまうでしょうか?プロミネンスは右上の昨日とは違う位置に幅広く出ています。左下の小さな塊は光球面から浮いているようですね。

20190516-0842JST-SOHO-LascoC3
計算してみると、約1週間後の5月22日に水星とプレアデス星団(すばる/M45)が離角3.75°まで最接近します。でもこれを見ることは絶対にできないでしょう。理由は…右の太陽観測衛星SOHO画像(本日8:42JST撮影)を見ると一目瞭然。中央白丸が太陽位置、右の輝点が水星、そして左上の星団がプレアデス。水星は向かって左へ、プレアデス星団は右へ移動しています。こんなに太陽近くで起こったら、地上からは観察できませんよねぇ。

プレアデスは毎年5月下旬に太陽方向と重なります。従って、太陽から余り離れない水星はこの時期にプレアデスと接近現象を起こすのです。観察できるくらい太陽から離れて起こるケースは、2021年5月4日や2022年4月30日まで待つ必要があります。

参考:
今日も水星と星団たちの競演です(2015/05/01)……2015年5月の水星とすばるの接近