アーカイブ:木星の衛星現象一覧(目次)1970/05/01


木星の衛星現象や大赤斑通過を自分が見たいために作ったデータを公開します。もし使えそうでしたら観察の参考にしてください。現状公開の範囲のみですが、少しずつ増やしていきます。(※概ね西矩→衝→東矩の期間に絞った掲載とします。合の時期プラスマイナス数ヶ月は計算しません。)

2015年2月    2015年3月    2015年4月    2015年5月    2015年6月

2016年1月    2016年2月    2016年3月    2016年4月    2016年5月    2016年6月

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【珍しい現象その1】
ガリレオ衛星が同時に複数の現象を起こす「マルチイベント」(衛星と衛星の影の木星面通過のみ)をピックアップした一覧は以下をご覧ください。


2015年    2016年    2017年    2018年    2019年   
【珍しい現象その2】
ガリレオ衛星の掩蔽と食が立て続けに起こる「連続出没イベント」(60分以内)をピックアップした一覧は以下をご覧ください。


2017年10月の合から2019年12月の合まで    2019年12月の合から2022年3月の合まで


《アーカイブ「木星の衛星現象」の概要》

2014年秋から2015年春にかけて、木星の衛星相互食の時期を迎えました。めぼしい現象を天文年鑑やカレンダーを頼りに観察していますが、いまは天文サイトや天文ソフトを使って自力で計算することもできます。現象をピックアップするのにデジタルデータのほうが都合が良いため、自分のメモとしてつくったのがこのアーカイブです。

木星の衛星現象は様々なバリエーションがあります。アーカイブの表は木星と衛星の現象衛星同士の現象単独の状態として色分けしました。全部網羅できませんが、アーカイブに出てるものを紹介します。(正しい天文用語として使っている訳ではないのでご了承ください。)

現象名現象内容英語表現
衛星通過
影の通過
天体名1が天体名2(木星本体)の手前を通過する現象。天体名1は、衛星の場合と衛星の影の場合があります。衛星通過は大げさに言えば木星を掩蔽する(下記)のと同じですが、大きさが違いすぎて隠しきれないので、通過という言葉を使っています。木星面通過とも言います。transit
掩蔽天体名1(木星本体)が天体名2(衛星)を隠す現象。衛星が木星本体の裏側に隠れて見えなくなります。(衛星が別の衛星を掩蔽する現象は区別します→下記参照。)occult
衛星食天体名1(木星の影)が天体名2(衛星)を隠す現象。衛星が木星本体の影に隠れて光らなくなります。(衛星の影が別の衛星を食する現象は区別します→下記参照。)eclipse
部分掩蔽
金環掩蔽
掩蔽
天体名1(衛星)が天体名2(衛星)を隠す現象。衛星が別の衛星の裏側に隠れます。すっかり隠れる(無印の掩蔽または完全掩蔽)ことはほぼ無くて、ほとんどの場合は一部が隠れる(部分掩蔽)か、金環日食のように「大きく見える遠くの衛星」に「手前の小さな衛星」がすっぽり収まる(金環掩蔽)かのどちらかです。最も暗くなる時刻と減光等級も記載しています。partial
annular
total
(occult)
部分食
金環食
天体名1(衛星の影)が天体名2(衛星)を隠す現象。衛星が別の衛星の影に隠れて光らなくなります。すっかり隠れる(無印の食または完全食)ことはほぼ無くて、ほとんどの場合は一部が隠れる(部分食)か、「大きく見える遠くの衛星」に「手前の衛星の小さな影」がすっぽり投影される(金環食)かのどちらかです。さらに、半影(影の縁のぼけた部分)と本影(ぼけ以外の完全な影の部分)とに分けることもあります。アーカイブでは半影の時のみ「半影食」と明記しています。それ以外は本影による食です。最も暗くなる時刻と減光等級も記載しています。partial
annular
total
(eclipse)
西方最大離角
東方最大離角
天体名1(衛星)が天体名2(木星本体)に対して最も西側(東側)に到達する瞬間です。何かの現象というより、そういう状態を指す言葉です。1公転ごとに東西1回ずつありますが、両方必ず日本で見えるとは限りません。western-elongation
eastern-elongation
中央通過
(大赤斑)
天体名1(大赤斑)が天体名2(木星本体)の中央に差しかかる瞬間です。大赤斑は衛星ではありませんが、大赤斑と衛星を一緒に見たいなどの要望もあるので参考に掲載しました。大赤斑はこの時刻の約5時間前に出現開始し、約5時間後に完全に没します。ただし縁近くでは望遠鏡でほとんど判別できないので、観察可能なのは中央通過プラスマイナス約2時間と考えたほうが良いかも知れません。また大赤斑は台風のような「構造を維持した流体」なので、木星表面に対して年々移動しており、大きさも変化します。時刻予報はあくまで「見込み」の値です。(計算年月日の大赤斑経度予測値(体系II)に従って計算します。)

参考:掲載各月頭の大赤斑経度予測値(体系II)
2015年2月:224°、3月:226°、4月:227°、5月:229°、6月:231°
2016年1月:239°、2月:240°、3月:242°、4月:244°、5月:245°、6月:247°
2017年1月:260°、2月:262°、3月:263°、4月:265°、5月:267°、6月:268°、7月:270°
2018年1月:284°、2月:286°、3月:288°、4月:290°、5月:291°、6月:293°、7月:295°、8月:297°
2019年3月:308°、4月:310°、5月:312°、6月:314°、7月:316°、8月:317°、9月:319°、10月:321°
2020年3月:328°、4月:330°、5月:332°、6月:334°、7月:336°、8月:338°、9月:340°、10月:342°、11月:344°、12月:346°

ガリレオ衛星マルチイベント一覧木星のガリレオ衛星(四大衛星/イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト)が起こす現象のうち、複数同時に見えるものを「衛星マルチイベント」と呼ぶことにします。例えば「イオとイオの影が同時に木星面を通過」といった現象で、この場合は2マルチですね。「イオ・イオの影・エウロパ・エウロパの影」が同時に起こるなら4マルチです。数が多くなるほど発生回数は激減し、レアな現象となります。

このマルチイベントを衛星現象一覧から拾い出すのは骨が折れますから、「衛星と衛星の影の木星面通過」に絞って計算機で自動的に拾い出したのがアーカイブ「ガリレオ衛星マルチイベント一覧」です。1年ごとにまとめてありますので観察にお役立てください。元データはGuideによる衛星現象時刻表で、プログラムを作って集計しました。趣味で楽しむ程度の精度はあると思われますのでお役立てください。なお全ての現象を拾い出したかどうか、また全ての予報が正確かどうかの検証はしていませんので予めご了解ください。
衛星の連続出没イベント一覧木星のガリレオ衛星(四大衛星/イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト)が起こす現象のうち、ひとつの衛星が立て続けに見え隠れする現象を「連続出没イベント」と呼ぶことにします。これは掩蔽と食とがあまり時間を隔てずに起こる現象です。アーカイブには時間差が60分以内のものをリストアップしました。時間差が小さいものほど不可思議でレアな現象となります。

この連続出没を衛星現象一覧から拾い出すのは骨が折れますから、計算機で拾い集めたのがアーカイブ「衛星の連続出没イベント一覧」です。二周期(合・衝・合で一周期)ごとにまとめてありますので観察にお役立てください。元データはGuideによる衛星現象時刻表で、プログラムを作って集計しました。趣味で楽しむ程度の精度はあると思われますのでお役立てください。なお全ての現象を拾い出したかどうか、また全ての予報が正確かどうかの検証はしていませんので予めご了解ください。

現象は日没後から日の出前まで、木星が見えている時間のみの記述です。ただし大赤斑は見える時間幅が大きいので高度がマイナスの場合もあります。また(完全)掩蔽現象は「開始・終了」ではなく「消失・出現」と表現されますので、その慣例に従いました。表記が無くても全ての現象は開始と終了がありますが、木星で面白いのは掩蔽で始まっても食で終わることがあったり、その逆だったり、必ずしもペアにならないことです。地球で見る日食や月食とは状況が違うのですね。遠い宇宙に思いを馳せてみましょう。

現象の計算は主にCalSKYサイトまたはGuideを利用し、自分なりの変換・補正・集計をかけています。また全ての現象をピックアップしていません。時刻は天文年鑑その他の資料などと比べ、最大十数秒内外の差があります。データ量が多いため、いちいちチェックもしていませんから表記ミスもあると思います。くどいですが精密観測には向きませんので、参考程度に留めてください。(複数ソースによる確認をお勧めします。)

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