超新星SN2022ihzは何者!?2022/05/04

20220503_SN2022ihz
一昨日に「SN2022ihzを観測してみて」という板垣公一さんのお声を伝えてくれたのは星仲間の(の)さんでした。一風変わった超新星だとのこと。どこの銀河か位置を調べると…Host Galaxyが存在しない…だと!?

SN2022ihzは4月25日にATLASサーベイでうみへび座に発見された超新星。既にIa型(Ia-91bg-like)と分光もされていました。発見時は18.045等、フィルターや等級システムの差はあれど、発見前後一週間程度の観測リポートによれば19-18等を維持していました。ところが板垣さんが撮影したところ15.4等まで大像光してるとのこと。

一昨日夜は雷雨のち曇りだったため望遠鏡は出せませんでしたが、昨夜から今朝にかけて一晩中晴れてくれました。出遅れると建物に隠れる位置なので、宵空明るいうちに機材をセット。暗くなったらすぐ撮影です。透明度の悪さや日中の強風が少し残り、おまけに撮影開始直前に地震が発生してバタバタしました。慌ただしくも撮影したのが左上画像。うむ、明るい!

一見すると「新星」とか「突発天体」のようで、銀河の無いところに超新星という不自然さが奇妙です。南西(右下)にNGC2974が写っていますが、これをHost Galaxyとするには遠すぎる…。仮に同程度の距離とするなら、大雑把に13等くらいまで増光する見積もりになるでしょう。宇宙望遠鏡Swiftも観測体制に入ったようです。いったいどんな天体なのかプロの分析が気になるところ。地上で写真を撮りつつ続報を待つとましょう。いつも最先端の話題を提供してくださる(の)さんや板垣さんに大感謝です。

ついでに、望遠鏡を同じ姿勢にさせたままSN2022ewj、SN2022hrsも撮影。両者とも板垣さんの発見です。最後に小惑星1989 JAを撮って夜明けを迎えました。1989 JAは明るさ・速度ともぐんぐん増大中です。それにしても一晩みっちり天体観察できたのは久しぶり。明け方の金星と木星がとてもきれいでした。

  • 20220503_SN2022ewj in NGC3367

    A.SN2022ewj in NGC3367
  • 20220503_SN2022hrs in NGC4647

    B.SN2022hrs in NGC4647
  • 20220504_小惑星1989 JA(7335)

    C.小惑星1989 JA(7335)


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