夕空で月と土星が接近しました2019/11/02

20191102月と土星の接近
夕方ベランダに出ると真正面に金星が見えていました。まだまだ超低空なので『明星』を冠するには煌めきが足りません。南を見上げると上弦前の月が輝きだしています。おや?すぐ上に明るい星…そうだ、今夕は土星と接近する日でした。

気の向くままに望遠鏡を組み上げ、何気なく撮った写真が左画像。日没前から薄い雲が湧いてしまい、全体がかぶっています。三段階の露光をコンポジットしており、月面細部から地球照、土星本体、周囲の微光星まで1枚に収めてみました。画像上側、横に伸びた一番明るい星が土星です。

20191102土星の衛星
500mm+APS-Cの簡単な光学系で短時間露光撮影しましたが、12等程度まで写っています。土星周囲を見ると輪っかはもちろん、衛星が四つも確認できました。右は原画の土星を中心に600ピクセル四方を切り出した原寸大画像です。四つの衛星以外は全て恒星ですね。

日中に色々あって疲れていましたが、美しい天体会合を眺めている内にすっかりリフレッシュできました。天然の癒やし効果でしょうか。

2019年の台風23号が発生2019/11/03


20191103-0000台風23号
気象庁によると、2日21時に台風になるかも知れないと発表された熱帯低気圧が、3時間後の3日0:00、直ちに台風23号「ハーロン/HALONG」になったとのこと。直前の台風22号発生から3日と21時間後、22号消滅から2日と12時間後の発生になります。

左画像は発生時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間なので赤外波長の白黒画像です。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。日本の位置は画像左上になります。

現在はマーシャル諸島付近にあって北西に進んでおり、見た目上は日本へ向かっているように見えますが、今後は東へカーブしながら日本から遠ざかる予想が出ています。

20191102-1500UT_JTWC予報
各種気象モデルを見る限り、わずか10日前に21号が直撃した小笠原諸島までも来ない見込みのようです。(右図はアメリカ海軍・JTWC(Joint Tyhoon Warning Center)による3日0:00の予報図。)ただし「こんな時期でも台風が発生する」という事実を覚えておくのは大切だと思われます。

今日の太陽2019/11/04

20191104太陽
雲が多く、夜中には結構な雨になってしまった昨日でしたが、明け方には星がチラホラ。朝からはゆっくり雲が少なくなっています。

20191104太陽リム
左は10:30過ぎの太陽。南半球にあった活動領域12750は中央に達しましたが、黒点がなくなってしまったみたい。北半球赤道近く、直径の5分の1ほど右リムから入ったところにも新たな活動領域12751ができています(昨日発生したそうです)。可視光ではごく小さな黒点があります。北半球で先行S型なので、第24太陽周期のもでしょう。

プロミネンスは右上リムが目立ちますね。左下リムにも小さなものが出ていました。

夜の入口を飾る美しい上弦2019/11/05

20191104_09000月
上弦きっかりの月を宵空に見ることができるのは滅多にありません。例えば当ブログ基準の茨城県つくば市に於いて、2001年元日から2020年大晦日までの20年間に起こる上弦248回のうち、航海薄暮がほぼ終わる日没60分後から1時間の間に正確な上弦を迎えるのは、たったの11回。他の地域でも同様でしょう。

昨夕は日没からおよそ161分経過した頃に上弦でした。南中を過ぎて少し低くなっていましたが、とても美しい上弦の月を眺めることができました。左画像は上弦の瞬間の撮影で、太陽黄経差90.00°、撮影高度は約29.5°、月齢7.28です。

秤動は右上側が中心に寄る向きでしたので、フンボルト海付近が良く見えています。アポロ11号&16号&17号着陸位置あたりの観察にはちょうど良い頃合いでした。月面Xはまだ光っていません。右側(東側)が秤動で中央に寄る場合は月面地形全体が左へずれていますから、上弦を過ぎないと月面Xが現れないのです。2016年12月7日に撮影した上弦と比較してみてください。欠け際の地形がずいぶん違うでしょ?次に宵空で上弦を迎えるチャンスは来年4月1日。天文薄暮が終わる間際に上弦となるベストタイミングで、しかも高度が今回の倍くらいあります。今から楽しみですね。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)