夕空低空で月・金星・木星が並びました2019/11/30

20191129月・金星・木星
昨日は一日晴天が続き、夕方楽しみにしていた「月・金星・木星の会合」を見ることができました。

せっかくなのでベランダではなく、徒歩で行ける景観の良い場所へ向かいました。と言っても、11月21日に見た場所と一緒ですが…。今回は接近と言ってもそれなりにばらけているため、写真に収めるには構図に苦労しそう。目で眺めるのが一番ですね。

一週間あまり経ったので、日没が若干早く、金星と木星は少し遠くなり、さらには木星が金星より低いと言った変化がありました。なんとか対角構図に収め、無事記録に残すことができました(左画像)。地球照を帯びた三日月がとても綺麗ですね。「地球からの照り返しは青味を帯びている」ということが分かるでしょう。木星は右下の梢近くに赤く寂しく光っています。低空過ぎて、冬晴れでなければもっと暗くなるところでした。22日の画像と全く同じ機材ですので、金星との位置差が分かると思います。

20191129月・金星・土星
目線を少し上げると、土星も見えていました。つまり沈んだ太陽も含めると週の後半から頭にかけての「木金土日月」の星が夕空に揃っていたわけです。縦構図にして、無理矢理に土星と月・金星も一緒に撮影してみました(右画像)。土星は左上隅近くに写っている一番明るい星です。上空は低空よりも微光星が良く写りますね。

本日30日夕方には土星よりも左に月が移動しているでしょう。接近と言うほどではありませんが、小型双眼鏡で両星が一緒に見えるくらいの5.5°という離角です。また、12月10日や11日の夕方には金星と土星が2°前後まで接近します。晴れたらお楽しみください。

2017年11月17日の記事にも掲載しましたが、下にこれまで見ることができた月・金星・木星の接近画像を3例載せておきます。実は今回の撮影場所はA画像やC画像を撮影した場所から500mも離れていません。同じ街から見上げた空の記録史とも言えるでしょうか。見返すと実に感慨深いです。

  • 20050907・月・金星・木星

    A.2005年9月7日
  • 20081201・月・金星・木星

    B.2008年12月1日
  • 20120716・月・金星・木星

    C.2012年7月16日


寒い11月最後の明け方に彗星ふたつ2019/11/30

20191130パンスターズ彗星(C/2017T2)
昨夜から今朝にかけてもよく晴れましたが、前夜より湿気があり、透明度がやや落ちました。それでも雲ひとつない月明かりもない貴重な快星夜。ということで、彗星をふたつ狙ってみました。

まずは夜半過ぎに天頂に差し掛かるパンスターズ彗星(C/2017T2)。写してみてビックリ。とても明るく、長い尾が印象的な彗星に成長していたからです。残念ながらシーイング最悪で星像が3倍くらいに肥大してボテボテなのですが、雰囲気はお分かりいただけるでしょう。

左画像ではうまく抽出できませんでしたが、元画像では緑色のコマが淡く大きく広がっていました。現在すでに10等台前半のようで、来年春にかけては更に8等台まで明るくなる見込みです。予報通りに行かないとしても、これはとても楽しみだ!!

20191130ボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)
お次は星間飛来彗星として有名になったボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)。22日に天気が悪くて撮り損ねましたが、11月ラストに撮影できました。右画像では短い尾までしっかり確認できますね。相変わらず移動が速く、天の赤道を越して南空低くなっています。あと一週間ほどで我が家の視界から消えてしまうでしょう。もう一回くらい観察したいものです。

それにしても夜半前に既に氷点下になっており、寒いのなんの。明け方は霜でまっ白でした。大気の揺らぎに加え、霜が降りきる前(水蒸気が大気に満ちている時間)までは光害の影響が強く出ます。なかなか完璧な夜というものはやって来ませんね。

今日の太陽2019/11/30

20191130太陽
夜に続き、朝からよく晴れています。とても寒いですが、前日よりは大気の揺らぎが若干落ち着いていました。

20191130太陽リム
左は10:20前の太陽。活動領域はありません。プロミネンスもほぼ無し。極めて静穏な太陽面です。晴天が少ない11月でしたが、最後の一日、無事太陽を見守ることができました。なお(もちろん見えませんが)太陽はいまさそり座のアンタレス近くを通過しています。