夜の入口を飾る美しい上弦2019/11/05

20191104_09000月
上弦きっかりの月を宵空に見ることができるのは滅多にありません。例えば当ブログ基準の茨城県つくば市に於いて、2001年元日から2020年大晦日までの20年間に起こる上弦248回のうち、航海薄暮がほぼ終わる日没60分後から1時間の間に正確な上弦を迎えるのは、たったの11回。他の地域でも同様でしょう。

昨夕は日没からおよそ161分経過した頃に上弦でした。南中を過ぎて少し低くなっていましたが、とても美しい上弦の月を眺めることができました。左画像は上弦の瞬間の撮影で、太陽黄経差90.00°、撮影高度は約29.5°、月齢7.28です。

秤動は右上側が中心に寄る向きでしたので、フンボルト海付近が良く見えています。アポロ11号&16号&17号着陸位置あたりの観察にはちょうど良い頃合いでした。月面Xはまだ光っていません。右側(東側)が秤動で中央に寄る場合は月面地形全体が左へずれていますから、上弦を過ぎないと月面Xが現れないのです。2016年12月7日に撮影した上弦と比較してみてください。欠け際の地形がずいぶん違うでしょ?次に宵空で上弦を迎えるチャンスは来年4月1日。天文薄暮が終わる間際に上弦となるベストタイミングで、しかも高度が今回の倍くらいあります。今から楽しみですね。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)

台風になるかも知れない熱帯低気圧が発生2019/11/05


20191104-2100気象衛星画像
気象庁によると、昨夜4日21時に「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が発生したとのことです。

左画像は熱帯低気圧発生時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間なので赤外波長の白黒画像です。フィリピン西部海域にあるオレンジ点線円が熱帯低気圧中心、赤点線円が台風23号中心の、各直径1000km円を表しています。

この熱帯低気圧の前身である低気圧は少し前から西進していたのですが、昨日急に東進へ変わりました。各国の気象モデルもまちまちで、つまりはこの付近で迷走しているようです。日本に到達する可能性はあるのでしょうか?

いっぽう台風23号は「強い」クラスとなっています。もう少し成長しそうな予報です。

散開星団M38に接近するパンスターズ彗星2019/11/05

20191105パンスターズ彗星(C/2017T2)
星雲星団を巡っているパンスターズ彗星(C/2017T2)。今朝方は散開星団M38のすぐそばにいました。左画像の左上に彗星がいます。探してください。

10月31日に撮影したときも近いと言えば近かったのですが、無理矢理な構図にしないと写野に収められない位置でした。今朝方は彗星と星団が1.2°という距離でしたから、大抵の小型望遠鏡でいっぺんに観察/撮影できたでしょう。

少しでも彗星を大きく写そうと、今まで使ったことのない組み合わせで焦点距離を伸ばしたら、コマ収差が少し目立ってしまいました。でもまぁ、冬の様に晴れ上がった空で、美しいツーショットになってくれました。撮影開始から片付け終了までに4度近くも気温が下がったことに驚き。今期初の一桁台前半でした。いよいよ冬支度ですね。

今日の太陽2019/11/05

20191105太陽
明け方の気温が4度台。急に冬の空気になってしまい、戸惑いました。空は澄み、遠くの富士山が良く見えます。あと三日で立冬ですから、暦通りと言うことでしょうか。

20191105太陽リム
左は9:40頃の太陽。大気の揺らぎが大きく、像が悪化しています。活動領域12750と12751はまだ残っているようですが、小さな望遠鏡では黒点が全く分かりません。Hαでも、なんとなく模様が乱れてるかなぁ…程度です。

プロミネンスもほとんど無く、左下リムに小さいものが確認できただけでした。