夏の夜を飾る満月、明け方には金星&ヒアデスも2017/07/09

20170709_17455月
昨夜から今朝にかけ、とてもよく晴れました。夏独特の湿気を帯びた空気がまとわりつきましたが、おかげで月や星の光はとても安定しています。

左は1時過ぎの撮影で、太陽黄経差174.55°、撮影高度が約28°、月齢は14.57です。本日昼過ぎに満月を迎えますが、もちろんその時間は地面の下で見えません。だから満月12時間前のこの月を楽しみました。

これくらいの月齢だと「東の海(オリエンタレ盆地)」が見えることがあります。東の海は中心が月の裏側に位置するため、大部分は地球から見えません。ではどこまでなら見えるか、特に今回のように陰影がはっきりした状態でどこまで見えるかと言うのがチャレンジポイントになります。左画像の左下側を使って、オリエンタレ盆地を正面から見た図と照らし合わせてみました。使ったのは2017年5月18日の記事で自作した「標高データによる月面図」です(右下画像)。

20170709東の海付近
ひとつひとつクレーターや特徴ある地形を対応させてゆくと、多重リング構造を持つ盆地の一番外側の外輪山と、そのひとつ内側の外輪山あたりまで見えていたことが分かりました。今日の月は中央緯度-4.3°、中央経度-2.2°ですから、もっと大きく左下が中央側に振れるタイミングでこのような位相になれば、一番内側の外輪山(内輪山ではない)や、盆地内部まで見えるかも知れません。もちろん下弦過ぎ、月齢26から27辺りでも逆光の陰影で見えるかも知れませんが、この月齢だと明け方低空しか見えないので、チャンスは極めて少ないでしょうね。(※詳しくは2016年10月31日の記事をどうぞ。)

20170709金星とヒアデス
明け方になると満月は南西に傾き、代わって東から金星が登ってきました。見ると金星がプレアデス星団とヒアデス星団にはさまれています。そう言えば今月中旬に金星とアルデバランが接近するのでした。薄明中ですが、カメラを向けてみました(右画像)。

一番明るい星が金星、二番目がアルデバランです。画像中、アルデバラン近傍の星数が周囲よりも多いことが分かるでしょうか。これがヒアデス星団です。いくつかの明るい星が左に倒れたVの字に並び、おうし座の頭部を形作ります。金星とアルデバランが最接近するのは来週末頃。また17日以降はアルデバランより金星のほうが下になってしまいます。20日と21日は月も加わって素晴らしい眺めですよ。

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