ハロウィンナイトに月、惑星、小惑星2015/11/01

20151101_23730月
昨夜半までは雲が多く、小惑星どころか月さえ見えない有様でした。それでも諦めずに待っていると、日付を越えるころから晴れ間が多くなりました。時折わーっと雲がやってきて全天を覆いましたが、雲がないときは透明度が良く、また明け方が近づくに連れてシンチレーションが信じられないほど少なくなりました。年間でも数えるほどしかない最高レベルです。

おかげで月が大変綺麗でした。左は3:30頃の撮影で、太陽黄経差237.3°、撮影時の高度は72°余り。当地から見える月としてはマックスに近い高度で、大気の揺らぎもほとんど感じません。こんな時に月が拝める幸せは筆舌に尽くしがたいのです…。

20151101明け方の惑星
明け方近くに昇ってきた惑星たちも良く見えました。金星はもうずいぶん木星から離れてしまいました。二日後の11月3日明け方には金星と火星が大接近しますが、今朝の時点で既に1°20'弱まで接近しています。

さて、小惑星2015TB145が地球のそばを通り抜けました。月が明るいため撮影は難しいと思いましたが、チャレンジしました。やってみると月明かりよりも小惑星の移動が早すぎてなかなか捕まえられないオチが待っていました。

20151101ハロウィン小惑星


左は1:00少し前の小惑星。15秒露出+15秒休みを4回くり返した画像です。たった15秒の間にこんなに動くとは…数値だけ見て頭で考えていたよりもはるかに速い移動で、望遠鏡の操作が追いつきません。カメラを向けていても5分も経たずして写野からいなくなってしまいます。

20151101ハロウィン小惑星
右は一番地球に近づいて見かけの速度がのっている2:00頃の画像。やはり15秒間隔です。今回の小惑星接近はけっして暗くないですが、速すぎて光が薄まってしまい、背景の月明かりにかき消されてしまいます。仕方がないので白黒化して少しでもコントラストが上がるような画像処理をしました。また直前に軌道要素を更新したにもかかわらず、地球最接近時の位置が満月の直径ほどもずれていました。ひょっとしたら星図ソフトのせいかも知れません。

20151101ハロウィン小惑星とM天体
M天体とのツーショットにも挑戦。いくつかの天体で何枚も撮ったのですが、取りあえず写っていることが確認できたのは右の1枚だけ。M108銀河と、M97ふくろう星雲です。ただでさえ月明かりの夜には見つけるのも難しい天体たちです。軌道のズレを予測しつつ大慌てで画角を修正したら、小惑星がギリギリになってしまいました。よく見ないとM97や小惑星の線状の軌跡が見えませんね。なお、NASAはこの小惑星の拡大撮影に成功しています(ニュースはこちら)。

まぁとにかくいろいろありましたが、お天気にも恵まれ、相変わらず元気良い鳴き声を響かせているフクロウと共に、様々な天体を楽しめたハッピーハロウィンな明け方でした。

参考:
2015年10月-11月明け方の惑星接近に関係する記事
アーカイブ:月の形(黄経差216度以上、252度未満)

今日の太陽2015/11/01

20151101太陽
11月最初の日。朝から良く晴れていますが、少しずつ絹雲がわき始めています。お天気はゆっくり下り坂で、さっそく明日は雨が降る予報です。

左は10:45頃の太陽。大気の揺らぎは多くありません。活動領域12443がとても明るいです。この領域が見え始めてから今日まで、CまたはMクラスのフレアが頻発しています。

20151101太陽リム
この撮影の30分前にもC6.2フレアが出ていました。ちなみにこの大きな黒点は太陽観察メガネのみで見えました。

左端にはループ状のプロミネンスが見えていますね。二重にループしているのかな?少し複雑な形状です。さぁ、11月はどんな太陽が見えるでしょうか。