チャンドラヤーン3号の着陸位置を測る2023/09/08

チャンドラヤーン3着陸地点
8月14日に打ち上げられたインドの月探査機チャンドラヤーン3号。8月23日21:30JSTごろには月面に探査機を着陸させ、更に搭載していたローバーを走らせることにも成功しました。着陸地点はもう夜側になってしまったため、探査機はスリープモードに移行したとのこと。半月経ったら太陽が当たり始め発電ができるようになりますので、再活動できるか試すのだそうです。

ところで9月6日付のNASAニュースにLRO(the Lunar Reconnaissance Orbiter)の撮影画像からチャンドラヤーン3号の着陸地点を特定したという記事が出ていました。2km四方未満の狭い範囲を写した画像に、着陸船とその影が小さく映っています(下F画像/NASAニュースから引用)。本当にすごい時代になったものですね。おおよその位置は2023年8月24日記事に書いた通りですが、正確な位置の発表は初めてではないかと思います。ただ、調べた限りでは緯度経度が発表になっていませんでした。

そこでNASA発表の下F画像からできるだけ正確な緯度経度を測れないかやってみました。画像はこの1枚だけ。あまりに狭い範囲なので特定が難いと思ったのですが、20分くらいで見つけ出せました。記事冒頭画像をスタートとして、下画像をAからEまで順に辿ってみてください。それぞれの画像に描いた緑矩形をズームしたものが次の画像になってます。(各画像はACTサイトによるキャプチャです。)なおF画像は月面に対して斜めから撮ったまま正規化されていないのでパースが付いており、その他の画像と向きや影の付き方も異なりますのでご注意。

計画段階の着陸予定地は南緯69.367621°、東経32.348126°でしたが、実際に着陸した位置と考えられる位置(画像D・Eのピンクマーカー)は南緯69.37345°、東経32.31325°付近(測定誤差最大10m程度)に着陸したようです。計算すると413mほどずれましたが、これは「寸分たがわない」と言ってもいいくらいの精度なのでしょうね。イチローのレーザービーム返球より正確かも知れません。日本の月着陸実証機SLIMの精度も楽しみです。

  • チャンドラヤーン3着陸地点

    A.記事トビラ画像の矩形部分
  • チャンドラヤーン3着陸地点

    B.A画像の矩形部分
  • チャンドラヤーン3着陸地点

    C.B画像の矩形部分


  • チャンドラヤーン3着陸地点

    D.C画像の矩形部分
  • チャンドラヤーン3着陸地点

    E.D画像の矩形部分
  • チャンドラヤーン3着陸地点

    F.LROによる発見画像


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