2023年の名月夜に十年後を心配する2023/09/30

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2023年の名月夜を迎えました。当地・茨城県南部は月の出ごろ少し晴れ間があったものの、その後はほぼ皆曇。時おり雲が少し薄いところからぼんやり見える月を拝みつつ過ごしました。

左画像は29日21時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約181.25°、撮影高度は約40.38°、月齢は14.44。いっけんうまく撮れているように見えるけれど、厚い雲越しで100フレーム程度しか撮影できず、全部のコマの月が半分黒い雲に覆われているような有り様でした。どうにか工夫してスタック・モザイクして仕上げています。ピント合わせもできなかったので「取りあえず撮った」程度の記録です。まぁそれでも苦労の経過が刻まれていますから思い出になりますね。

2021年から今年まで3年間、中秋の名月の日と満月日が一致していました。去年と今年は満月瞬時が宵の時間なので「日没と共に丸い月が昇る」という典型的な満月を楽しむことができました。来年以降2029年までは名月が1日または2日先行しますから、名月日には日没より早く少し欠けた満月が昇ることになるでしょう。2030年にはまた日付が一致します。

ところが、ちょうど10年後の2033年に大問題が発生します。実は2033年の夏から翌2034年春まで「旧暦を一意に決めることができない」いわゆる「旧暦2033年問題」が発生するのです。複雑なルールに縛られた旧暦ですが、現代の日本では公式な管理の元で作られた暦ではない「私暦」扱いのため、ひとたびルール適用外の事例が発生すると人によって解釈がバラバラになる恐れがあります。それが10年後に起こってしまうのです。

名月の日が決まらないだけなら、秋の満月を全部名月にしてしまうことで解決する話だけれど、旧暦2033年問題は冠婚葬祭など旧暦にわずかでも関わるすべての分野に影響します。秋祭りや七五三、お正月行事だって影響する地方もあるでしょう。数年前から混乱が始まると予想されるのでご注意くださいね。このお話しはあらためて記事にしたいと思います。

2023年の台風14号が発生2023/09/30


20230930-0300台風14号
気象庁によると、昨日15時から発生していた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が、本日3時に台風14号「コイヌ/KOINU」になりました。直前の台風13号発生から24日と6時間後、13号消滅から21日と6時間後の発生となりました。

左は14号発生時である本日3:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線が台風中心の直径1000km円。夜間なので赤外線の白黒画像です。予報円を北寄りに進むと沖縄本島や先島諸島直撃の恐れもあります。どうかご注意ください。9月の発生台風平年値は5.0個。14号が発生しなかったら上旬の13号1個だけだったので異例の少なさでした。多すぎるのも恐ろしいですが、少な過ぎるのも不気味ですし、降雨のバランスが崩れるので心配です。

名称となったコイヌはこいぬ座のこと。140個の台風命名リスト順通りなら本来は1周期前の「テンビン=2017年台風27号」が使われる予定でしたが、この台風がフィリピンなどに甚大な被害を出したため廃番扱いになり、新たな名称のコイヌが補填されたのでした。2000年に台風アジア名の命名規則が現行方式に変わり、2000年台風5号にテンビンと付けられて「台風に星座名が付いた最初の例」になったケースでした。以降、2017年27号まで4回使われてきた“最長老”でしたが、とうとう引退しましたね。なお、こいぬ座はこの時期夜半過ぎに昇り、てんびん座は宵のうちに沈みます。

【参考メモ・これまで台風命名に4回使用された星座】(2023年9月現在)
  • テンビン:初出2000年5号→2023年14号で引退→「コイヌ(こいぬ座)」にバトンタッチ
  • ヤギ:初出2000年19号→継続
  • ウサギ:初出2001年10号→継続
  • カジキ:初出2001年24号→継続
  • カンムリ:初出2002年11号→2019年28号で引退→「コト(こと座)」にバトンタッチ(まだ未使用)
  • クジラ:初出2003年2号→継続
  • コンパス:初出2004年9号→2021年18号で引退→次回未定
  • トカゲ:初出2004年23号→継続


今日の太陽2023/09/30

20230930太陽
9月の晦日を迎えました。朝から雲多め、午後になって青空優勢になってきたのはここ三日同じパターンです。気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は576、真夏日地点数は223、猛暑日地点数は0。9月終わりに真夏日地点が200以上とは…。

20230930太陽リム
左は15時少し前の太陽。左上リム近くに新たな小黒点が見えています。プラージュが明るくて期待大ですね。右下の13445付近も明るい。Cクラスの高めのフレアが頻発しているようです。ダークフィラメントとプロミネンスは特に目立つものはありませんでした。さて10月はどんな太陽になるでしょうか?