NGC4388の超新星などを観察2023/07/31

20230730_SN2023fyq in NGC4388
少し遡りますが、7月24日20:30ごろ山形県の板垣公一さんがNGC4388に13.3等の超新星候補天体を見つけたとの報告が流れ、これはZTFが4月17日に発見したSN2023fyq(発見時19.5等)の急増光だったことが分かりました。NGC4388はお馴染みマルカリアンチェーンのひとつ(右下画像参照)です。ただこの時期は日没後すでに西空に低く、特に我が家からは建物の影になって望遠鏡を向け辛い方向でした。

昨夕は少し薄雲があったものの、久しぶりに西空低空が晴れています。そこで、駄目元で建物の隙間から空がわずかに見えるところまで望遠鏡を運び撮影を試みました。薄暮時から機材をセットしにくい社会環境、対象方向の空の狭さ、何より毎日西空が曇っている…。運悪く夏祭りの真っ最中で光害もマシマシ、晴れていても風が強い、更には満月期…。これ以上ない悪条件でしたが、何とか写し取ることができました(左画像)。

マルカリアンチェーン
超新星は思いの外明るくてビックリ。最初は超新星のほうを銀河核と勘違いし、超新星は暗くなってしまったのかと思ったほどです。Type Ⅰb-pecとのことですが、今回の増光はどんな意味を持つのでしょうね?

また、30日1時過ぎに群馬県の小嶋正さんがこぎつね座とや座の境界付近に12.8等の突発天体を発見しています。これも日付が変わったころ撮影してみました(下A画像)。報告位置と微妙に違うので本当にこれなのか疑問が残りましたが、これ以外に該当する天体がないため、とりあえずマーカー入れておきました。

70年ぶりに回帰したと思ったら、バーストして増光し大きく膨らんでいるPons-Brooks彗星(12P)もやっと撮影できました(下B画像)。Spaceweather.comではSF映画スターウォーズに出てくるミレニアム・ファルコン号みたいな形だと紹介しています。核近傍に特徴的なジェット構造があるみたいですね。拡大して撮影できる方はぜひローテーショナル・グラディエント処理などを施してみてください。Pons-Brooks彗星は2024年春に宵の西空で4等台になる見込みです。

  • 20230731_TCP J19183710+2127170

    A.TCP J19183710+2127170
  • 20230730_Pons-Brooks彗星(12P)

    B.Pons-Brooks彗星(12P)


今日の太陽2023/07/31

20230731太陽
7月最終日です。昨夜から今日未明は晴れ間が持ったものの、1時台から小さな雲が横切るようになりました。明け方の木星を見たかったけれど雲が多くなってしまい断念。朝からも雲が残りました。風が幾分涼しく感じます。気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は898、真夏日地点数は652、猛暑日地点数は124、酷暑日地点数は0。台風の影響がじりじり近づきつつあります。

20230731太陽リム
左は14時ごろの太陽。雲を避けるため、少し待たされました。目立つ黒点を有する活動領域13386は中央子午線に到達。いくつか番号の無い黒点群が湧いています。相変わらずプラージュやダークフィラメントが目立つほか、右上リムのプロミネンスも昨日並に背が高いですね。10分もかからない観察タイムだけれど汗ばみます。8月の太陽も活発でしょうか? ぬ