夜明けに同じ形で輝く月と金星2022/02/25

20220225_28141月
昨夜から今朝も快星夜。明け方の月に的を絞り観察しました。

左は4:30頃の撮影で、太陽黄経差は約281.41°、撮影高度は約22.37°、月齢は23.57。下弦すぎでもまだ細くはないのに、薄明まで待っても高度が稼げない時期になりました。おかげで大気の揺らぎが大きく像がとても甘いです。それでも観察できる天気に感謝ですね。

コペルニクスやクラヴィウスに闇が迫りつつあります。虹の入り江のラプラス岬からスタートし、C・ハーシェルやランベルトを経てスタディウスまで連なる「雨の海」西のリンクルリッジが目を引きます。

20220225_ピタトゥス付近
継続した陰影調査として南部にある注目地点・ピタトゥス付近も拡大撮影しました(右画像)。でもシーイングが悪すぎてぼやぼやの画像に…。まぁ南緯の低い時期では仕方ありません。

20220225金星
薄明が始まっていましたが、うまい具合に金星が隣家の屋根上に見えたので、これも一緒に撮影しました。今期の内合後、日が昇らないうちに撮影できたのはこれが初めてです。とは言え、撮影高度は13°あまり。元画像は月以上にボケボケで、大気の屈折で激しく色ズレを起こしていました。なんとか見えるようにしたのが左画像。

撮影時の太陽離角は44.02°、輝面比は35.13%、視直径は33.55″。ずいぶん小さくなりました。でも絶好調でギラギラしていました。月の輝面比が39.83%なのでほぼ同じ形たったことがとてもおもしろく感じました。今年末に地球接近する火星も見えましたが時間切れ…。視直径が4.6″しかありませんから、シーイングの揺らぎのほうが大きかったでしょう。10″を越える初秋になったらまた観察しましょう。

【追記】
以前に「月と金星が同じ日に同じ形となるのは?」と題して、金星の最大離角と半月のタイミングが合う日を調べたことがありました(→2018年8月19日記事)。これを拡張して、「位相角が近い日はいつか?」という計算をしてみました。位相角が同じなら輝面比も同じになり、「形が相似」と言えます。図らずも今朝の観察はちょうどよいタイミングでしたね。下表日時プラスマイナス6時間程度以内で両天体が同時に見える時間帯なら「ほぼ同じ形」として一緒に観察可能でしょう。

【月と金星の位相が一致する日時・2022-2025年調べ】
日時(JST)位相角(°)輝面比(%)
2022-01-04 00:20167.10201.2615
2022-01-29 14:40138.432212.5914
2022-02-25 14:50106.953835.4200
2022-03-25 10:4787.759251.9550
2023-05-28 09:4685.553353.8766
2023-06-25 07:07105.389236.7312
2023-07-22 04:05135.799114.1550
2023-08-15 19:03168.20691.0554
2023-09-10 15:56127.562319.5188
2023-10-07 21:52100.529540.8629
2023-11-05 01:3582.538956.4927
2025-01-07 13:5787.131352.5024
2025-02-04 10:36106.485135.8117
2025-03-03 10:25138.194712.7293
2025-03-28 16:35163.98931.9395
2025-04-24 02:05123.052222.7298
2025-05-21 12:0997.818343.1984
2025-06-18 11:1080.723858.0597

  • 自作プログラムによる計算です。
  • 位相角と輝面比は地心位置に基づきます。


今日の太陽2022/02/25

20220225太陽
今日も朝からよく晴れています。そしてまたしても強風。せっかく咲き出した梅が散ってしまう…。

20220225太陽リム
左は10:40頃の太陽。活動領域は変化なし。大規模なプロミネンスも無くなりましたね。二組の黒点が淡々と過ぎてゆく太陽となりました。もう1、2日後に次の領域が現れるでしょうから、それに期待。