空高い月を観察2022/02/12

20220211_12137月
昨夜から今朝にかけては予想外に天気の回復が早く、長持ちしていました。所々に雲の通過があったものの観察に支障がない程度。高く登った月に望遠鏡を向けました。

左は20:20頃の撮影で、太陽黄経差は約121.37°、撮影高度は約76.55°、月齢は10.25。南中を少し過ぎたばかりで、いやぁ高い高い。首が痛くなります。ちなみに昨夜の南中高度は79.3°、今夜は80.3°です。わたしのところで今年の満月期前後の最高高度は81.3°ですから、ほぼ最高高度とみなせる夜でしょう。

シーイングはかなり悪く、時々大きな波が襲いました。目で見ているぶんには美しい月光ですが、望遠鏡には厳しい環境。降った雪→日中に溶けて大気に戻ったせいか湿度が高く、夜中は盛大な霜に覆われました。

下A・B画像は別カメラで南部を拡大したもの。A画像はティコ付近の見どころが一堂に会していますね。ブッリアルドゥス周囲のしわくちゃな地面、ロンゴモンタヌスからクラヴィウス付近の折り重なるクレーター、直線壁と月面Xがとても近いことも分かります。月面LOVEのV以外も全部写ってますから探してみてください。特に陰影が無くなったEとLは至難ですよ。それにしてもカラーで撮るとティコは異様な色・明るさであることを再認識させられます。

B画像は故あって個人的に継続観察しているエリア。中央付近にはピタトゥス、ガウリクス、ヴェルツェルバウアーがあります。悪シーイングのせいでシャープさがいまひとつだけれど、このエリアの複雑な様子が見て取れます。

観察の締めに、ちょうど今朝方に衝を迎えた小惑星9424(Hiroshinishiyama)を撮影。星仲間のかすてんさんの名を冠する星です。17等前半で月明かりもたっぷりあったけれど、しっかり写ってくれました。

  • 20220211_ティコ付近

    A.ティコ付近
  • 20220211_ピタトゥス・ガウリクス・ヴェルツェルバウアー

    B.ピタトゥス付近
  • 20220211_小惑星9424(Hiroshinishiyama)

    C.小惑星9424(Hiroshinishiyama)


今日の太陽2022/02/12

20220212太陽
昨夜から今朝は概ね晴れ。今日朝からも晴れていますが、昼前から淡い雲が空を覆い始めました。明日午後から再び悪化する予報で、夜は雪になるかも知れません。

20220212太陽リム
左は10:30前の太陽。昨日までに採番されてなかった3ヶ所のうち、12939と12943の間のものは12945、左端やや下のものは12946と採番されました。また左端やや上は黒点が消えて白斑だけになったようです。左のHα画像では右リムに活発なプラージュが集まってますね。プロミネンスは左リム側が優勢。この勢いでどんどん活性化してほしいですね。