2014年11月10日グレージング観察の準備2014/11/09

グレージング説明図1
11月10日深夜(11日に変わった直後)に見られるグレージング、私の住む茨城ではお天気が微妙です。でも、他の地域でお天気に恵まれ、観察してみたいよという方(特にグレージング初心者の方)のために、説明しておきましょう。詳しい地図やチャートなどは10月17日の記事を参照してください。

まず、この観察には望遠鏡が必要です。ターゲットは月そのものではなく月に隠される6.6等星の星ですから、これがしっかり見える口径がいいですね。屈折なら8cm、反射なら10cmもあれば十分でしょう。月齢が大きく、どうしても明暗の境界線が視野に入ってしまうため、倍率は少し高めが良いと思います。初めてという方は撮影など考えず、まずは見て楽しんでください。

グレージングという現象は遠くの星が月の縁にギリギリ隠されます。だから単純に消えて、また出ておしまい、じゃなくて、月の縁の地形によっていろいろな事が起こります。パッと消えたと思ったらすぐ出てきたり、点滅を何度もくり返したり、完全には消えなかったり、長い潜入の間に一瞬だけ見えたり…。望遠鏡では地形まで良く見えませんが、そこがどうなっているか想像しながら眺めるとワクワクしますよ。

グレージング説明図2
注意したいのは観察場所と時間です。地図上の予報線色と月縁図チャートの線色は対応しています。(何でチャートのラインが曲線なのかなんて細かいことは気にしないでね。)チャートは今回予報されている地形が描かれていますから、山や谷で明滅が多そうなラインを選びましょう。別にラインのピッタリ上じゃなくて良いですよ。例えば赤とすぐ下の青の中間で観察するなら、ちょうど赤・青の中間を通る線が「私のライン」となります。できれば緯度と経度を記録しておくと良いですね。

見る位置が決まったら、今度は時刻を調べましょう。地図上の自分に一番近い赤丸アイコンクリックで時刻が分かります。ただしこの時刻は「中央の時刻」つまりチャート真ん中の縦線に恒星が達した時刻です。現象はもっと前に始まっています。たとえば赤線上で観察した場合、予報の1分前にはもう山の向こうに消えていますね。自分の観察ラインでは何分前に消えそうか、また何分後まで明滅が起こりそうか、よく調べてくださいね。中央の時刻のプラスマイナス2分間(全4分間)観察すれば完璧です。上から2番目の青線より南の人は、いちばん最後に気をぬかないでくださいね(笑)

みなさんのご健闘と晴天、そして観察の安全をお祈りしています。風邪を引きませんように。成功された方はぜひお話し聞かせてください。