今日の月(夕方)2014/10/03

太陽黄経差111.0度、夕方18:56頃の月です。大気がの揺らぎが少しあって、像が若干乱れています。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差108度以上、144度未満)

秋空の皆既月食2014/10/08

涼しくなった秋空で皆既月食が見られました。前回の皆既月食は2011年12月10日でしたから、3年近くの間がありました。夜中近くの現象だった前回に比べ、今回は21時半過ぎには欠け終わりを迎え、小さなお子さんでも楽しめたのではないでしょうか。

太陽や星々、そしてもちろん月も、毎日の日周運動で東から西へゆっくり回っています。それと同時に月は周りの星々に対してゆっくり東(右)へ動きます。おまけに地球の影も西へと動きますから、月食の場所は非常にややこしい移動となります。左上画像は地球の影に対する月の動きを並べたもの。こうすると見えなかった地球の影が浮かび上がりますね。

皆既月食中は右下画像のように満月が赤黒く減光します。よく赤銅(しゃくどう)色と表現されますが、工芸品などで赤銅を見たことが無い方はピンときませんね。色が近いのは新品の10円硬貨(青銅)でしょう。

月食の色は大気の成分によって随分変化します。例えば火山灰などのチリで大気が汚染されると、とても暗く色あせたようになります。逆にとても明るいこともあります。明るさや色を正しく記録しておくと、大気の汚れ具合が分かるかも知れません。(参考:ダンジョン・スケール)デジタルカメラにはホワイトバランスという機能がありますが、これをオートにしないで撮影すると良いでしょう。

今回を含め、これから2025年までに見られる皆既月食を表にしてみました。時刻は茨城での計算です。皆既月食は全行程が見られるとは限りませんし、皆既の時間幅も毎回異なります。条件が悪いものもありますが、お天気に恵まれ、多くの方に感動が届きますように。

参考:過去も含めた長期間の皆既月食一覧はこちら。
日付 2014年
10月8日
2015年
4月4日
2018年
1月31日
2018年
7月28日
2021年
5月26日
2022年
11月8日
2025年
9月8日
最大食分 1.175 1.008 1.325 1.166(月没時) 1.019 1.367 1.371
欠け始め 18:14 19:15 20:48 3:24 18:44 18:08 1:26
皆既食の始め 19:24 20:52 21:51 4:29 20:08 19:16 2:30
食の最大 19:54 21:00 22:30 4:41(月没) 20:18 19:59 3:11
皆既食の終り 20:25 21:08 23:08 20:29 20:42 3:53
欠け終り 21:35 22:45 0:11 21:53 21:49 4:57

今日の月(明け方)2014/10/10

太陽黄経差198.0度、明け方4:11頃の月です。低空に雲がありましたが、月の周囲はきれいに晴れていました。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)

たくさんのハロが出現2014/10/10


昼過ぎから太陽の周りに内暈が出ていました。よく見ると上下が濃く、タンジェントアークを従えているようです。あまり整った雲ではなかったので、このあと色々見えることになるとは全く予想しませんでした。

14時頃に再び空を見てみると、なんと明るい幻日が目に飛び込みました。左右共に明るく輝き、しかも太陽から幻日を貫く幻日環もよく見えていました。
左の幻日環をたどると、すぐ120度の幻日が見つかりました。(右側はありませんでした。)こんなに明るい120度幻日を見たのは何年ぶりでしょうか。右の画像中央、周りより明るくなっているところが120度の幻日です。

なお、幻日環は北の空に届く前に消えていましたから、残念ながら「環」ではありませんでした。
さらに驚かされたのは、暈の上部に現れたパリーアークでした。とても明るく、内暈よりはっきり見えます。上部タンジェントアークにふたをするような形(サンケーブ型)で、色合いも鮮やかです。

この頃は太陽が上下に伸びていて、太陽柱が小規模に見えていることも確認できました。
ここまでで十分お腹いっぱいですが、もちろん(?)環天頂アークも「自分もまぜて」と言わんばかりに現れてきました。ラテラルアークを伴っているようですが、はっきりしません。時間がたつとアークは高度が下がり、美しい広がりを見せてくれました。

とても幸せな午後になりました。
今日見えた現象のHalosimシミュレーション画像を掲載しておきます。現象が盛大だった15時頃(太陽高度が約25度)の設定です。上画像とあわせてご覧ください。