見事なセンタームーンでした2021/10/24

20211024_21415月
今日明け方は素晴らしいセンタームーン日和でした。

昨日の記事に書いたように、本日24日2:30前後に見えた月は、日本のどこで見ても「見かけの月面中心」と「月面座標原点」とがほぼ一致する状態になりました。見かけの中心とは月を(欠けていないものとして)円に例えたときの幾何中心、また月面座標原点とは月面上で緯度経度ともゼロの地点のこと。普段見ている月は秤動(首振り)によって両者が一致することはなかなかありません。

左は2:26に撮影したもので、太陽黄経差が約214.15°、撮影高度が約72.0°、月齢は17.26。気温が4度台まで下がり、この時期にしてはとても寒かったのですが、おかげで一晩中冬のような透き通る月夜になりました。首が痛くなるほど高い位置に差し掛かった月はあまりに神々しすぎて、言葉が出ません。オニール橋付近や若干影が出てきたアルタイ断崖など、見どころがたくさんあって目移りしてしまいます。

20211024_月の中心
中心付近を拡大してみたのが右画像。見やすいよう少しコントラストを上げてあります。また自作プログラムによりクレーター位置や緯線経線も重ねて描きました。黒文字と矢印で各中心を示しましたが、極めて近かったことが分かりますね。

昨日の記事では2:30頃と書きましたが、当地でもう少し詳しく計算すると2:26頃が一番小さくなるため、この時刻に撮影しました。(※観察場所により秤動量の極小時刻は若干変化します。)撮影時の測心緯度秤動は-0.09097°、測心経度秤動は0.02720°、秤動量は0.09495°。これまでに撮影した中でいちばんパーフェクト・センタームーンに近い状態となりました。快晴夜になったことに感謝です。

概算ですが、今回のように「中央が光った状態(センター位置が視認できる状態)」で国内領域を横切るパーフェクト・センタームーンは2036年11月11日や同年12月8日まで起こらないようです。アジア域まで広げると2024年9月19日や2027年から2030年にかけての晩夏-秋ごろに何度か起こります。


今日の太陽2021/10/24

20211024太陽
昨夜は快星、今日朝からも快晴です。明け方の気温が4度まで下がったのには驚かされました。

20211024太陽リム
左は9時過ぎの太陽。活動領域12886が中央子午線にほぼ到達しましたね。左下の領域は12887と採番されましたが、びっくりするほど黒点が多いです。更に、リム付近には裏側から顔を出し始めた新しい領域も明るく見えています。SDOでは極小黒点も認められました。

左下リムのプロミネンスも立派ですね。こういうのがたくさん出てくれると楽しいのですが…

2021年の真夏日と熱中症集計2021/10/24

2021年・真夏日と熱中症
先週の21日に消防庁から「令和3年の熱中症による救急搬送状況」9月の確定値が発表になり、5月からの確定データが全て揃いました(→消防庁・熱中症関連サイト)。これに従い、毎年作っている「真夏日と熱中症」の関連グラフを描きましたので左に掲載します。2020年は新型肺炎の影響により5月の熱中症集計は行われませんでしたが、今年は5月分から揃っています。

お盆前頃からの大雨の影響もあって、5-9月の真夏日のべ地点数は33856、猛暑日のべ地点数は2483とやや少なめです。総観測地点数919に対して、日毎の最高は真夏日が8月5日の833地点(2011年以降で最高値)、猛暑日も同じ日の242地点でした。また、搬送者の合計は47877人、うち80人が死亡しています。日毎で搬送が一番多かったのは前述の真夏日最高と同じ8月5日の1654人、死亡者は7月21日の8人でした。統計人数としては少なめながらも、これだけ啓蒙されているのにまだ亡くなる方がゼロにならない事実は重く受け止めるべきでしょう。

なし崩し的にオリンピックが行われましたが、猛暑による時間ずらしがあったり、選手が体調を崩したりと、ある意味『予想通り』の事態になりましたね。分かっているのに防がないのは、もはや人災。雨が降ってしばらく気温が低くても、次の快晴日に一気に蒸し暑くなったりしますから要注意。年齢や体調によっては暑熱馴化が追いつかないこともあるでしょう。来年以降も十分に気をつけていただきたいものですね。

参考:
アーカイブ「真夏日と熱中症」